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犬の世界も「いじめ」はあるの? 多頭飼いで起こりうる原因や心身への影響
とくに多頭飼いをしていると、飼い犬同士でいじめが起こることもあるのか、気になる飼い主さんもいるはず。
今回、いぬのきもち獣医師相談室の先生に「犬のいじめ」の実態について、くわしく解説してもらいました!
犬の世界で「いじめ」は起こる?
※「いじめ」は、ヒト社会の言葉なので適切かは疑問ですが、今回はわかりやすく「いじめ」という言葉で解説していきます。
犬同士でいじめが起こる原因
①飼い主さんが先住犬を優先していない
新入りが来ると、先住犬にとっては飼い主さんの愛情が分散し、取られてしまったような寂しい感情に。それは自然なことなので、まずは飼い主さんがそのことを理解しましょう。
多頭飼いの基本は、先住犬を最優先にすること。食事、散歩、遊ぶ、声かけ、なでるなど、すべてにおいて先住犬から始めます。
さらには「意識して大げさに先住犬をかまう」「声をかけるように心がける」ことで、先住犬に「自分のほうが上なんだ」と安心させ、新入りにも「先住犬の次の立場」であることを理解させます。
大好きな飼い主さんの気持ちが自分から離れているような気持ちにさせてしまうと、自分が優位であることを示したい、さらにヤキモチも絡んだ感情から新入りに攻撃をすることがあるのです。
新入りがかわいくて無意識にかまってしまう飼い主さんも見られます。また、家族の中で「先住犬派」「新入り派」と分かれることもよくありません。
「先住犬が優先」を家族全員で意思統一することで、今後の生活の安定につながっていきます。
②新入りの犬が積極的
「ダメなことはダメ」と新入りに教育的指導のできる先住犬ならいいのですが、そうでない場合には、新入りが先住犬を「いじめ」ているような構図になることもあるでしょう。
③先住犬の縄張り意識が強い
たとえ新入りがいいコだろうと気に入らず、縄張りを主張して「ここには入らせない!」「そこどいて!」などと吠えたり唸ったりすることも。
ときにはケンカが始まることから、新入りが「いじめ」られているように見えます。
④先住犬がシニアになり衰えた頃に、新入り犬が優位に立ちたがる
その理由は、今まで先住犬に勝てなかった生活を送っていたため、今度は「自分が優位に立とう」としているのです。
⑤下の犬たちが結束する
これも、やはり先住犬がシニアになって衰えた頃に見られるようです。
いじめを受けたときの犬の心身の影響
また、元気がなくなり食欲も減り、自分の部屋に引きこもるコもいます。
飼い犬同士の「いじめ」を目撃した場合の、飼い主さんの対応
いきなり止めに入るのではなく、大きな音を出す、 あるいは水を入れたスプレーを吹きかけるなどして注意を引き、その間に犬たちを引き離しましょう。
「先住犬が優位」という姿勢を忘れないで!
先住犬をかばって守り、新入りには理由は何であれ「先住犬へのいじめは絶対に許さない」という姿勢を見せます。
新入りに一言「いけない!」とだけ言い、先住犬にはおとがめなく優しく接すればいいです。このとき、両成敗にする必要はありません。
先住犬が新入り犬をいじめていた場合は?
そのときは、新入りにもおもちゃを与えるなどフォローしてあげてください。
先住犬にも新入り犬にも同じ愛情を でも順位はしっかり
□どうしても相性が合わず、先住犬が新入りをいじめてしまう
どちらの場合も、先住犬を優先することは基本です。
お互いに顔を合わせずにすむ空間を用意する、新入りの動ける範囲を制限する(サークルに入れる、部屋を決める、リードでつないでおくなど)ことで距離を取らせましょう。
先住犬を優先すると新入りを冷遇しているように感じるかもしれませんが、犬は賢いです。
飼い主さんから「先住犬の次」と決められれば理解できますし、信じることも大切です。
そうすることで、結果的に犬同士でいじめが起こらないことにもつながっていくでしょう。
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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