食事の前に長時間「マッテ」をさせるのはNG？犬がイヤなこと5選

犬にとって、人との生活にはストレスになることが多くあります。愛犬のストレスに飼い主さんが気づかないと、飼い主さんとの関係が崩れるきっかけになったり、深刻な病気につながったりすることも。今回は、お世話の中でじつは犬がイヤだと感じることについて、しつけ教室「Pet Life Consulting シンビオーシス」代表の岡田敏宏先生に教えていただきました。

愛犬がくわえているものを力ずくで取り返す

アメリカン・コッカー・スパニエルのルビーちゃん — いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬が人の靴下などをくわえて持ち去るのは、それが大切で取られたくないと思うからです。それを飼い主さんに無理やり取られると、「盗まれた！」とイヤな気持ちに。
犬にとっては、人のものと犬用のおもちゃを区別するのが難しいので、噛まれたくないものは愛犬の見えないところにしまいましょう。

散歩中にリードでコントロールする

一般的な首輪やハーネスは、引っ張ることを想定して作られていません。引っ張ると首や体が絞まるので、それが続くと愛犬が歩かなくなったり、不安を感じたりします。
散歩中はリードを張らないように、愛犬とは目を合わせながら並列で歩くことを意識しましょう。
おやつやおもちゃを使い、愛犬の視線を飼い主さんに向ける練習をするといいでしょう。

食事を前に長時間「マッテ」をさせる

食事を前に「マッテ」をさせるのは、ただ我慢を強いるだけで、愛犬からすると意地悪をされているように感じます。食事を出す際は、愛犬を待たせずにそのまま出しましょう。
「マッテ」をさせたい場合は、飼い主さんが食事の準備をしているときにハウス内や食事をさせる場所で行いましょう。

片手間に引っ張りっこ遊びをする

犬にとって引っ張りっこ遊びは、狩猟本能が刺激される最高の遊びです。その遊びを飼い主さんに片手間でされてしまうと、愛犬は満足できず、体力も気持ちも発散できないままストレスに。
引っ張りっこ遊びをするときは、飼い主さんも一緒にたくさん動いて楽しむことで、愛犬も思い切り体力を発散でき、満足してくれるでしょう。

低めの声でトレーニングしたり、声だけでほめたりする

しつけのトレーニング中に声を低くする

低い音は、威嚇を連想させるため、飼い主さんが低い声を出すと愛犬が身構えてしまいます。
トレーニングは楽しく行ったほうが覚えがよくなる傾向があるので、飼い主さんは明るい声と笑顔を意識して、楽しい雰囲気で行うといいでしょう。

愛犬がいいことをしても声だけでほめる

飼い主さんからの声がけに喜びは感じますが、おやつやおもちゃなどのごほうびがないと、「頑張ったのにうれしいことがない」という状態になり、言うことを聞いてくれなくなることも。
ほめたいときは、声がけだけでなく、ごほうびも用意してあげましょう。ただし、おやつの場合は健康面を考えて、与えすぎないように注意が必要です。

悪気がなくやってしまっていたお世話に、犬にとって嫌なことが隠れている場合もあります。当てはまるものがあったら、やり方を見直してみてくださいね。

お話を伺った先生／岡田敏宏先生（しつけ教室「Pet Life Consulting シンビオーシス」代表家庭犬訓練士動物看護師 2級ファイナンシャル・プランニング技能士トリマーペット共生住宅管理士）
参考／「いぬのきもち」2024年5月号『お世話・しつけ・環境etc.――じつはストレスだった！累計1万頭を見てきたドッグトレーナーが教える犬がイヤ！なこと21』
文／山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。