愛犬をなでるのは飼い主さんの愛情表現のひとつですが、飼い主さんの気の向くままになってしまっていませんか? 愛犬が思わずとろけるなで方について、ドッグトレーナーの油木真砂子先生に教えていただきました。
愛犬の興奮をしずめるなで方は?
過度な期待やうれしさ、ストレスなどから犬が興奮してしまったときに、興奮のスイッチを切り替えて落ち着かせることができます。子犬や落ち着きのないコにやさしくタッチしてみましょう。
【姿勢】後ろから犬の胸に片手を添え、利き手でなでる
愛犬の後ろから、利き手でないほうの手を犬の胸にやさしく添えて、動きを止めます。犬は座っていても立っていてもOK。犬をつかまえようと追いかけ回したり、強くつかんだりしないようにしましょう。
【なで方】耳のつけ根から先へとやさしく流すように
親指と人さし指で耳のつけ根をはさみ、丸めた人さし指の上を、親指を滑らせるようにしてつけ根から先へ、最後は完全に耳から手が離れるまでなでます。
不安をとりのぞくなで方
恐怖を感じているときは、怖いと感じている対象物に犬の意識が集中しがちです。そんなときは、“自分の体の大きさを認識させる”なで方で気持ちをほぐして安心を与えましょう。
【姿勢】基本自由 犬の胴体をジグザグと触れられる体勢で
犬の肩甲骨のあたりから後ろ足まで、背中⇆胴体⇆おなかを、飼い主さんが移動せずにジグザグとなでていける位置につきましょう。大型犬の場合は、犬のサイドだと全部に手が届きオススメです。犬の姿勢は自由です。
【なで方】指先の触れ方に変化をつけて犬の意識を向けるように
背中からおなかに向けて、5本の指をすぼめた状態から徐々に指を開きながらなでていきます。おなか付近までなでたら、そのまま今度は、指をすぼめながら背中までなで上げます。これを繰り返しましょう。
なでるときの鉄則
犬が受け入れやすい場所から
個体差はありますが、犬には“なでられるとうれしい部位”と、“なでられるのが苦手な部位”があります。耳まわり・胸や首、肩甲骨まわりなど、犬が受け入れやすい場所からなでるようにすると、「なでられることは気持ちがいい」と思ってもらいやすくなります。苦手なポイントは、愛犬がなでられることに慣れてからと心得て、ゆっくりと進めましょう。
自分が思う以上にやさしく、ゆっくり
筋肉まで刺激するマッサージとは異なり、「なでる」ときは犬の皮膚を動かす程度の強さでOK。自分のまぶたを揺すってみて、眼球への圧がない程度が目安です。愛犬がリラックスできるよう、なでる速さは極力ゆっくりが基本です。
飼い主さんと愛犬の「なでたい」「なでられたい」という気持ちが一致すると、絆も深まっていきます。犬のサインをキャッチし、なで上手になりましょう!
お話を伺った先生/油木真砂子先生(ドッグトレーナー テリントンTタッチ認定プラクティショナーP2 優良家庭犬普及協会グッドシチズンテストサブジャッジ 国際中医薬膳師)
参考・写真/「いぬのきもち」2023年10月号『なでられるとうれしいごくらくMAPつき 上手になでてリラックス! 絆も深まる♡ 愛犬がとろけるなで方』
※なで方はテリントンTタッチ®をもとにしています
文/仲田陽子
※記事と写真に関連性がない場合もあります。