犬が好き
UP DATE
多頭飼育崩壊の現場からレスキューされた犬 人間不信だった愛犬の「甘えん坊化」が進む姿に喜びを実感!

こちらは、4才のころに撮影した幸子ちゃんです。とある日、飼い主さんのベッドの上に幸子ちゃんがいたそうですが、よく見ると、朝にベッドメイクをしてキレイにしておいたはずの掛け布団が“ぐちゃっ”となっていたのだとか。
飼い主さんはふと「毛布に包まれたいのかな?」と思い、幸子ちゃんに掛け布団をかけてあげることに。すると、幸子ちゃんはなんとも愛らしい姿を見せてくれたようです。
安心して眠りにつく

幸子ちゃんは多頭飼育崩壊の現場でレスキューされた犬だった

先ほど紹介した投稿も、ちょうどお昼寝の時間でした。ベッドでよくお昼寝をしているという幸子ちゃんですが、あのように掛け布団をぐちゃぐちゃにするのは珍しかったとのこと。
幸子ちゃんがこのような行動をする場合、「毛布が邪魔か、自分の周りに寄せて温まりたいのかのどちらかです」と飼い主さん。あの日はまだ少し肌寒かったため、「毛布が心地よくて包まれたかったようですね」と、幸子ちゃんの気持ちを推測します。

そのような幸子ちゃんの姿を見ると、飼い主さんはとても嬉しい気持ちになるといいます。
「幸子は、子犬のころに100頭近い多頭飼育崩壊の現場でレスキューされました。その後、1才になる前までシェルターにいて、その間はずっと固いコンクリートの吹きさらしの場所で、人やほかの犬との接触も最小限のまま過ごしていたようです。
うちに来たときはほとんど無表情で人とのコミュニケーションの仕方もわかっていない感じでしたが、一緒に暮らすなかでいろんな感情や思いを伝えてくれるようになり、おもちゃや毛布なども大好きになったんです。
そういう一つ一つの変化を見られることに喜びを感じましたし、毛布に包まれたいと思えることも成長の証なので、とても嬉しかったですね」
もうすぐ7才になる幸子ちゃん 一緒に暮らすなかでさまざまな変化が

「幸子と出会い、お見合い代わりに一緒にお散歩したときに『あ、きっとうちに一緒に帰ることになるな』と感じたんです。『幸せと幸運に溢れる暮らしを送る子になりますように』という夫婦の願いというか、保護者としての決意を込めて『幸子』と名づけました」

飼い主さんは年齢のことも考えて、登山や朝のジョギングの距離を少し控えるようになったそうですが、幸子ちゃんは「まだまだとても元気」だといい、飼い主さん夫婦の家でのびのびと暮らしているようです。

「人見知りが緩和され、ドライな性格ながらも甘えん坊になってきた感触があります。ここ1年ほど、飼い主が夫婦で仲良くしていただいているグループのみなさんにとても可愛がってもらっているのが理由だと思います。
うちはアメリカの山の中に住んでいるため、普段はあまり人を見かけませんが、都市部にいる友人たちが泊まりにきてくれたり、逆に私たちが泊まりがけでお邪魔したりすることがあります。
一番仲良くしている人たちだけでも子どもや赤ちゃんを含め16人、大きなイベントだと60人ほどが集まるのですが、みなさんに幸子のありのままを受け入れてもらい、可愛がってもらったおかげでずいぶん人慣れが進みました」

「幸子はもとから子どもや赤ん坊に優しいですが、それはその子の前に出会ったすべての子どもたちが優しく接してくれたからだと思います。とても感謝しています」
家族になってくれた幸子ちゃんへ、あらためての思いとは

最後に、こんな思いを語っていました。
「私たち夫婦には子どもがいませんが、幸子という子どものような存在が、私たちを家族にしてくれたと感じています。これは幸子をお迎えした日から変わっていませんが、日々その絆というか“家族”という感覚が強くなっています。
ほかの何もかもがうまくいっていなくても、幸子が幸せに寝息を立てていたり、のんびり寝転がっていたり、お散歩でしっぽや垂れたお耳がるんるんと揺れるのを見ていると、救われる思いがすることもあります」

「もうお互い人生の折り返し地点を過ぎ、悲しい事実ですがここからは幸子が持つ時間のほうが早く進んでいきます。シニア期に入った幸子をいかに健康に長生きさせるか、そして残りの毎日をどれだけ満ち足りたものにしてあげられるかを最近よく考えています。
幸子が『幸せだな』と思ってくれているといいなと、いつも願っています」
取材・文/雨宮カイ
※この記事は投稿者さまに取材し、了承の上制作したものです。2025年5月時点の情報であり、現在と異なる場合があります。
UP DATE