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保護犬を「社会で愛される犬」にしたい 岡山県の活動とは

犬の返還・譲渡率を上げ、殺処分を減らす努力を続ける「岡山県動物愛護センター」、「公益財団法人岡山県動物愛護財団」の取り組みを紹介します。

※保護犬、飼い主さんの情報は2017年7月6日現在の情報です

1回目の記事|犬の殺処分をなくしたい 返還・譲渡率を上げた岡山県の取り組み


センターのドッグランに愛犬を連れて訪れた飼い主さん。定期的に利用しているので職員さんともお顔なじみ

鑑札と狂犬病予防注射済票は義務、そして迷子札は命綱


保護された犬を譲渡会に出すか、センターと財団の職員(青い服を着ているのが財団の職員)が相談して決める
「岡山県動物愛護センター」(以後センター)は、ホームページで犬の写真や情報、捕獲場所を掲載したり、警察や市町村と連携をとるなどで返還率を上げています。

それでも飼い主さんのもとへ帰れなかった迷い犬や捨てられた犬たちは、登録されたボランティアや「公益財団法人岡山県動物愛護財団」(以後財団)での譲渡会で新しい家族との出会いを待つことになります。財団で譲渡会に参加できる犬は、人なれしていて比較的若くて健康な犬を、センターと財団の職員で決めているとのこと。また傷病犬やシニア犬に関しては、理解を得られる飼い主さんが見つかれば、センターから直接譲渡することもあるそうです。しかし、余命わずかの犬や、病気やケガで苦しむ犬を安楽死せざるをえない事実も忘れてはなりません。



保護された迷い犬たち。迷子札、鑑札、マイクロチップ、どれかひとつでも装着していれば飼い主さんのもとへ帰ることができるが、未装着の犬はまだまだ多い
センターの職員、安井正広さんは迷子犬が多いことについて「鑑札、済票、迷子札、マイクロチップ、どれかひとつでもあると飼い主さんのもとへ帰れるんですけど……」と、いまだ未装着の飼い主さんが多い現実を話されました。

センターの隣にある財団は、センターで保護された犬のうち、適性審査に合格した犬の譲渡を委託で行っているところです。譲渡会に参加するには「飼い方講習会」を受講し、条件を満たした人が参加可能。また、譲渡会は家族で参加しやすいよう休日に行われています。役所の勤務体制を考えると、民間の財団が代わりに行うことで休日の譲渡会を開催しやすくなりました。

譲渡会で新しい家族との出会いを待つ子犬たち。譲渡を待つ犬のなかには、まだ人を警戒する犬も少なくない。


職員が犬とのコミュニケーションを図りながら、社会復帰のためのトレーニングを行っている

「しつけ方教室」にも力を入れ、犬と人とのよりよい生活を!


またこの財団では、しけ方教室も定期的に開催しています。一般の飼い主さんの場合、4カ月~3才未満の犬であれば、3回まで受講可能、財団から譲渡を受けた飼い主さんなら、犬の年齢を問わず4回まで受講できるとのこと。その講師を務める職員の猶原克己さんは、譲渡を待つ犬たちのしつけ方にも力を入れています。

「新しい飼い主さんのもとでスムーズに共同生活ができるよう社会復帰に向けてのトレーニングを実施しています」と猶原さん。

お話を伺った、公益財団法人岡山県動物愛護財団の職員、猶原克己さん。社会の中で愛される犬、そしてよりよい飼い主となるよう、しつけ方教室に力を入れている

また猶原さんは財団のボランティア犬にも登録している愛犬のCoumeちゃんと毎朝出勤。仕事の前後に敷地内の広場でトレーニングを兼ねてCoumeちゃんと遊ぶのだそう。

財団では現在、譲渡対象犬13頭を管理していますが、そのうち半数以上が子犬。成犬は人を警戒する犬が多いので、毎日の散歩やゴハンの時間を利用し、人になれるようコミュニケーションをとりながらふれあっています。

3回目の記事はコチラから>>

いぬのきもちWEB MAGAZINE|脱走・流血……ほとんど野犬のような保護犬が家族の愛で心を開くまで

出典/『いぬのきもち』2017年10月号
取材・撮影・文/尾﨑たまき
CATEGORY   犬が好き

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