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保護犬が広げてくれた人の輪 引き取った飼い主の暮らしの変化は vol.3
神奈川県動物保護センターを中心に、傷病犬やシニア犬たちを優先的に救い続ける「アニマルプロテクション」の活動を紹介します。
※保護犬、飼い主さん、お話を伺った方々の情報は2017年3月10日現在の情報です
1回目の記事|捨てられた傷病犬やシニア犬を救う「アニマルプロテクション」 vol.1
2回目の記事E|保護犬の一時預かりボランティアって? 2組の家族と保護犬の暮らし vol.2

引き取りからはじまり、今ではアニマルセラピーまで

アニマルプロテクションから、パピヨンのレオンくんとチワワのリリーちゃんを引き取った工藤さんご夫妻は、高齢者施設などに動物と訪問する「人と動物のふれあい活動(CAPP活動)」にも参加しています。
「レオンの散歩中に出会ったお年寄りの方が、足腰が弱っているなか、かがみこんでレオンをなでてくれました。その姿がとてもうれしそうで……レオンも静かに寄り添っていました」
その光景を見たことがきっかけとなり、今ではレオンくんとともに横浜の高齢者施設へ月1回ほど通っているそうです。
「レオンたちのおかげで、世界が広がりました」と笑顔いっぱいに話してくれた工藤さんご夫妻でした。
譲渡した犬たちの幸せを知る瞬間

アニマルプロテクションは、青山や神奈川県内で月2回ほど譲渡会を行っています。一時預かりさん宅で、先住犬と同じように愛情をかけてお世話してもらううちに警戒心が薄れるためか、吠える犬はほとんどいません。また、譲渡会ではサークルの中で犬をフリーにして、来場者にふれあってもらっています。
サークルの中では、犬同士のケンカもなく、どの犬も落ち着いた様子で人に甘えています。
「犬がサークル内でのびのびと過ごしていれば、それぞれの犬の性格もよくわかりますから、家族として迎え入れるための判断基準にもなります」と代表の原さん。
アニマルプロテクション代表の原さん。傷病犬やシニア犬を含め、目の前の命と真剣に向き合い、救出、治療、譲渡を行う
そして、この日も数名のボランティアスタッフの姿がありました。犬たちのために何ができないかと集まった方々です。一時預かり、送迎、譲渡会の手伝い、ウェブサイトの更新、物販製作など、それぞれができることを手伝い、命をつなげていくためのサポートを、スタッフが一丸となって行っているのです。
アニマルプロテクションの地道な活動のうれしい結果が、譲渡会のとき垣間見えました。それは、犬を引き取った飼い主さんが愛犬を連れて、次から次に譲渡会に足を運んでくる姿でした。やさしい飼い主さんとともにやってきた元気いっぱいの卒業犬たちと再会した代表。いつもハツラツとして行動力にあふれている代表の目に、きらりと光るものが見えました。

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いぬのきもちWEB MAGAZINE|捨てられた傷病犬やシニア犬を救う「アニマルプロテクション」 vol.1
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出典/『いぬのきもち』2017年4月号
取材・撮影・文/尾﨑たまき
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