犬が好き
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ある日、突然できない。【連載】おばあちゃん犬がやってきた 第16回
我が家は完全外飼いだった老犬、シロさんを新しい家族の一員として迎えました。
シロさん、我が家にきてすぐのころはソファにも軽々しく乗ったり、お散歩も元気よく引っ張ったり「これで15歳なのか⁈」と驚かされることが多々ありました。
そこから1年半くらい経ち、最近少しボケ〜っとすることも多くなり、もうあっという間にお婆ちゃんらしくなってきました。
あまりにも早い老化速度に少し寂しさを覚える私ですが、ぼけてしまうくらい我が家での生活は安心できるものなのか、とほんの少しだけ嬉しくも思います。
最近の出来事。いつもならソファに軽くとび乗るシロさんですが、その日は違いました。
いつも登れるのに、急に登れなくなった⁈
ついこないだまで当たり前のように出来ていたことが出来なくなってしまいました。
そして、シロさんはある行動にうつります。
助けを求める、円らな瞳
目は口ほどに物を言うといいますが、まさしくシロさんは私に、
「何してるの?見てないで早く手伝いなさいよ」な視線を送ってきました。
はい!もちろん、 よろこんで!!
介護も一緒に過ごす大切な時間だからね
ソファに上がれなくなってしまったシロさんですが、得たものもあります。
「人を頼る」ということ。言葉の話せない犬達にとって、これはとても難しいこと。
特にシロさん、ご飯のとき以外は、アレがしたい!コレがほしい!と欲求することも滅多にないので、私にとってはシロさんとの大切な時間が少しだけ増えたような気がしました。
出来ることは減っていくけど
これからきっと、目も見えなくなるだろうし、耳も聞こえなくなるかもしれない。
出来ることがどんどん減っていくのだろうと感じます。
それなのに可愛さは日々更新されていきます。不思議です。
何故だろう、と色々考えましたが、理由はわかりませんでした(笑)
きっとそれがシニアの持つ底無しの魅力なのだと、思うのです。
登場人物・犬猫
tamtam プロフィール
2022年「たまさんちのホゴイヌ」(世界文化社)、2023年「たまさんちのホゴネコ」(世界文化社)を出版。著者印税を動物福祉活動に充てている。
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