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大吉に浮かぶ先代犬・富士丸の面影【穴澤賢の犬のはなし】

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富士丸を越えた大吉

8月17日で、大吉が8才になった。これで、7才半という短命で突然いなくなった富士丸を越えたことになる。これは本当に嬉しいことだ。そんな大袈裟なと思うかもしれないが、帰宅したら朝まで元気だった富士丸が亡くなっていたあの日ことは相当なトラウマになっていて、今でも出かけるときは心のどこかに不安がある。そんな心配をよそに8才を迎えてくれたことが嬉しい。あれが2009年10月1日のことだから、もうすぐ10年になるのか。

一緒にいる時間も、富士丸を上回ったことになる。その分、大吉の存在感が大きくなり、富士丸が小さくなったかというとそんなことはなく、相変わらず心の中にどんと居座っている。それは富士丸が優れていたとか愛情の深さの違いではなく、大人になってはじめて自分で責任を持って飼った犬だったこと、破壊活動に思い悩んだこと、怒ったこと、反省したこと、狭い1DKで肩を寄せ合うように苦労したことが大きいのではないかと思う。たぶん、先代犬を見送った人は似たような感覚ではないだろうか。

なぜか似ている謎

そういえば最近、20年来の友人が家に遊びに来たときに大吉を見て「なんか、富士丸に似てきたよね」と言っていた。その友人は富士丸と何度も会っているし、大吉のことも迎えた当初から知っている。

友人が突然そんなことを言うので「どこが似てる?」と聞いてみたが、うまく言えないが距離感とか空気感だという。最初は大歓迎するが、必要以上にベタベタすることもなく、食べ物にも興味なさそうで、どことなく冷めた目をするときがある、とのこと。

たしかに富士丸もそんなやつだった。デビルマン顔の大型犬と雑種の中型犬なので、見た目は全然似ていないが、視線についてはたまに感じることはあった。しかし友人も富士丸と似ていると思うのかと驚いた。

動けるシニア犬

一緒に暮らしていると、犬は飼い主に似てくるというが、私が原因なのか。それは違うと思う。それなら福助も似てないといけないはずだが、福助が富士丸に似ているなんて思ったことはない。ではなぜ、富士丸と大吉からはたまに「バカじゃないの?」という目で見られるのだろうか。違う意味で私に原因があるのか。深く考えるのはやめよう。

いずれにしても、大吉は8才になった。もうひとつ嬉しいのは、彼が8才にしてはまだまだよく走って、よく遊ぶことだ。体力の衰えはほとんど見られない。それは福助のおかげかもしれないが、よかったよかった。大吉、誕生日おめでとう。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。

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