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「いぬのここが好き!(穴澤家の場合)」【穴澤賢の犬のはなし】

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編集部から11/1の「犬の日」にちなんだ企画があるので「犬のここが好き」というテーマで書いてくれませんかと依頼された。そんなわけで、愛犬自慢みたいになってしまうが私が日々感じている大吉と福助の「ここが好き」という箇所をならべてみよう。

手がかからない

大吉は子犬の頃から優等生だったが、迎えた当時の幼い福助はトラウマを抱えていたので抱き上げようとすると噛む、呼んでも来ない、人間を信用しておらず近寄ると逃げるなど問題があった。それらをどうにか克服したら今度は破壊王になってソファーまでボロボロにしてくれた。しかしそれも今では治まり、叱るようなことは何もしなくなった。帰宅するときに「今日は何をやられているんだろう」と心配した日々が嘘のよう。

かなり言葉を理解している

わが家ではいわゆるコマンドは使わず、「散歩行こっか」とか、止まって欲しいときは「待って」と普通に人に話しかけるようにしているが、それでも十分伝わる。面白いのはその日の仕事を終えた私が仕事部屋でパソコンに向かったまま、振り向きもせず「さて、そろそろリビングに行こうか」と言うと、それまでゴロゴロしていた大福がスタスタと階段を登ったりする。そんなことが結構あるので、かなり言葉は理解していると思われる。

寝起きが悪い

以前にも書いたように、大福コンビは朝なかなか起きてこない。寝室の同じベッドで寝ているが、私が起きても彼らはだらだらゴロゴロしている。そのため私が先に玄関で散歩に行く準備をして「おーい、お前ら散歩行くぞー!」と声をかける。そうするとやっとだるそうに階段を降りてくる。彼らの中では、私の散歩に仕方なく付き合ってやっているということになっているっぽい。外でしか排せつしたがらない大福のために、雨でも風でも散歩に行っているのに。

見送りお出迎えなし

普段は家で仕事しているが、もちろん出かけることもある。そんなときは一切見送りには来ない。出かける支度をしていると空気を察してとっとと寝室へ行き2度寝していたりする。お出迎えも基本はない。帰宅したのは音や雰囲気でわかっているはずだが来ない。ただし基準があるようで、留守番が6時間を越えてくると、ふたりして玄関で待ち構えていて「どこ行ってたんだよもう!」と不服そうな顔をする。

好き嫌いが激しい気分屋

夜晩酌しているときに、たとえば刺し身をひと切れおすそ分けしてやろうとすると、大吉は「いらん」とプイっとそっぽを向くことがある(福助はだいたい食べるが)。特に大吉はアジは食べるがたいは食べないというような好き嫌いもあるうえ、その日の気分によって食べたり食べなかったりもする。この前は、炭火で焼いた鶏肉を冷ましてほぐしてあげようとしたのに、「今はいいわ」という醒めた顔で無視された。炭火でじっくり焼いたのにだよ?

勝手にルールをつくる

1日の終わりに缶ビールをプシュと開けたときに、なんとなく罪悪感から大福にもひとつずつオヤツをあげたのがきっかけで、ビールを開ける音がする度に飛んでくるようになった。そして「オヤツは?」という顔をする。なぜ勝手にそんな決まりになっているのか不明だが、いつの間にか彼らの中ではそういう決まりになっているらしい。しょうがないのでそのルールには従ってはいるが。

繊細なウンチモード

大吉はスムーズだが、福助には「ウンチモード」があり、モード入ると少し早歩きになるのでわかる。そのまましばらく歩いてからやっとウンチをする。これがまた繊細で、ウンチモードだったのに散歩する犬とすれ違ったり、大きな音がしたり、ほんの些細なことでモードが解除される。

ときには特に何もないのに、何度もウンチングスタイルになったあげく「何かが違う」という顔でこっちを見ることがある。知るか、と思うが結局しないことがある。本当はしたいはずなのにがまんしているのかもしれないと思うと何となく落ち着かないので、大吉を家に置いて、福助だけ2回目の散歩に行く。

そしたら、またウンチモードに入ってしてくれることが多い。なぜ1回目でしないんだと思う。いったい何が気に食わないのか意味がわからない。しかしたまに、2回目の散歩に行くと砂浜でせっせと穴を掘ることがある。

何が楽しいのか、ちょっと掘ったら「やっほー!」と走って、また別のところに前足でせっせと穴を掘る。それを繰り返す。いくら待ってもウンチモードには入らない。そんな姿を見ながら「お前な、穴掘りするためにわざわざ2回目の散歩に来たわけじゃないぞー!」と叫びたくなるのをぐっと堪えている。

以上、わが家の「犬のここが好き!」でした。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。

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