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同時期に、それとも時期をずらして迎える? 犬の「多頭飼い」経験者が語るリアルな体験談が参考になる
今回いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、犬の多頭飼いをしている飼い主さん119名に「犬を迎え入れた時期」についてアンケート調査を実施してみました。
同時期に2匹(複数匹)家族に迎え入れた?
【体験談】同時期に複数飼って思う「よかったこと」と「大変なこと」
・「お留守番のときは、2頭で遊んでいるようで心配しなくて良い。雨降りの散歩は1匹ずつになるので時間が必要で大変です」
・「いつも2頭一緒なので、淋しくはないと思います。しつけが、大変です。1頭に教えて褒めたら、もう1頭が拗ねます」
・「半年違いで飼ったのですが、お留守番などは2頭一緒なので少し安心。病院に行くときなど、1頭でお留守番したことないので、2頭連れて行かなきゃいけない」
・「よかったのは他の犬への慣れが苦労なくできたこと。大変だったのは散歩慣れしてない頃に1人で2頭を散歩させたこと」
・「同じ月齢(3カ月)の子だったので遊び相手には困らなかった。何をするにも一緒なので、ワクチンやごはんなどの出費はいたかった」
・「良かったことはじゃれ合う姿に幸せを感じたこと。大変だったことは、たとえばシートにゆるいウンチがあっても、その瞬間を見ていないと、誰が体調を崩しているのかわからないこと」
・「いろいろ事情があって同時に子犬2頭飼うことになりましたが、2頭の中がとても良くずっとくっついて一緒に遊んでる姿はとても癒されました。トイレの失敗をどっちがしたのかわからないのは困ったかな」
・「3頭産まれて、孫のようで手放せずそのまま飼うことに。ちゃんと授乳するか、夜中も目覚ましを3時間おきにセットし授乳を見守って寝不足に! しつけが3頭同時にはできず、ダラダラに。。 ショップだと離乳食期くらいからの大きさからの育犬だけど、産まれたて、へその緒を切るところからの育犬に喜びもひとしお!」
一方で大変だった点では、「しつけを同時にしなければならない」「お金が2倍以上かかる」「下痢や嘔吐をしたときに、誰がしたのかわからないことがある」などといった声が寄せられています。
【体験談】時期をずらして先住犬のもとに新入り犬を迎えたことで思う「よかったこと」と「大変なこと」
・「当初は、先住犬がやきもちをやいて大変でしたが、順位をしっかり守り、接することで落ち着きました。2頭で、付かず離れず良い関係を保っています」
・「1頭目の犬のおかげでしつけや接し方に慣れてきていたので、2頭目を迎え入れたときに2頭を慣れさせるだけで済んだのでとても楽でした」
・「先住犬の刺激になって元気になった。かまってもらおうとアピールがすごい。2頭のできることとできないことがまったく違うので、遊んだり、グルーミンングやしつけのときのどれも褒めるバランスが難しいです」
・「良かったことは、歳とって、動くのが億劫になっていた先住犬が、刺激を受けて元気に散歩するようになったこと。大変なのは、普段、新入り犬が先住犬にちょっかいを出し過ぎなところ」
・「最初の1年は仲良くならず、先住犬は知らん顔だし新入りは『あたしあたしー!』と自己主張が激しい子でダメかもと思ったけど、今はとても仲良しです。ドッグランで新入りが追い込まれてると助けにいきます」
・「先住犬はとても活発で遊ぶのが大好きなので、常に遊び相手ができたところがよかったです。大変なのは、2頭続けてトイレをすることがあり(大も小も)、それを片付けるのに大変でした」
・「9才と2カ月だったので、新入りが8カ月になった今も、新入りが激しすぎて先住犬が困ってる」
・「よかったことは、時期をずらしたことですべてのことがゼロからでなかったこと。大変だったことは、先住犬のしつけが一段落して、また新入り犬にイチからしつけを教えなくてはならないこと」
・「先住犬が1才になってすぐに来たので、遊び相手になって楽しく走り回ってるのを見ると良かったなぁと思う。大変なのは病院代が2倍なのです。それをわかってて迎え入れたので、良かったほうが大きいです」
・「先住犬が警戒が強く、なかなか仲良くなれない」
・「保護犬を迎えたんですが、先住犬が犬社会のことを教えてくれました。また、おもちゃの遊び方も教えてました」
・「2頭目を迎えて半年くらいは、大変でした(チョロチョロしているし、トイレトレーニングなど)。先住犬もストレスで血便が出てしまったり、後悔したこともありましたが、3年近く経った今は2頭いるのが当たり前の生活になり、日々可愛さに癒されています」
一方、大変だった点では、「新入り犬にかまいすぎて、先住犬がやきもちをやく」「先住犬が戸惑っていた」「なかなか仲良くなれず困っている」などといった声が。先住犬と新入り犬の相性が合わず、関係性に悩んでいる飼い主さんもいるようですね。
【解説】「2頭同時」と「後でもう1頭」…犬の多頭飼いはどっちがいいの?
どちらにもいい面・大変な面があるようですが、犬を多頭飼いする場合、実際どちらが望ましいのでしょうか…?
可能であれば、1頭目を成犬まで育てあげてから、次のコを迎えるのがおすすめ
子犬を同時期に迎える場合、子犬たちそれぞれの健康状態を見ることは簡単なことではありません。元気や食欲、排尿・排便の状態、体重の変化など、1頭をお世話するだけでもとても大変ですよね。
さらに、子犬の頃はトイレのしつけや甘噛み、食糞など…それに応じたしつけをしなければなりません。病気になったときには通院、投薬なども必要になり、それが複数だと大変です。子犬を迎えたことがない方は、とくに時期をずらして飼ったほうがよいでしょう。
また、子犬の頃から複数の犬を家族に迎えた場合、同時に年齢を重ねていくので、シニアになったときに同じ時期に闘病、介護が始まるかもしれない…ということを理解しておきましょう。
同じ時期に子犬を2頭飼うのは、メリットもある
たとえば…
- 2頭で遊んでくれることもあるため、飼い主さんが遊び相手をする時間が少なくて済むこともある。
- 飼い主さんでは教えることのできない、犬同士にしかわからない遊びや楽しさがあり、犬らしい生活ができる。
【解説】多頭飼いを決断する前に飼い主さんが確認すべき6つのこと
最後に、これから多頭飼いをしたいと考えている人に確認してほしい6つのことを紹介します。すでに先住犬がいる飼い主さんは、先住犬のことも考慮してあげることが大切に。ぜひ参考にしてみてください!
①先住犬の性格を考慮しよう
「新しいコを迎えれば問題が解決するのでは?」と期待する人もいますが、場合によっては、新入り犬が先住犬のよくない行動をマネして、飼い主さんの負担が増えてしまうことも。
ほかにも、甘えん坊な性格の犬や、飼い主さんへの依存心が強い犬の場合、愛情が分散することを嫌がって、ほかの犬との生活を望まないコもいます。
犬同士の相性が悪いと大きなストレスとなり、お互いに我慢した生活を強いることになります。それではかわいそうですよね。
まずは、先住犬の性格を考慮してから多頭飼いを検討しましょう。
②犬同士の年齢が離れすぎている場合も難しいことが多いと知っておこう
たとえば、先住犬と10才以上離れた子犬を新たに迎え入れることになった場合、先住犬が静かな生活を望むタイプのコだと疲れてしまうことも。
ただ、なかには新入り犬の若さが刺激になっていい場合もあるので、飼い主さんは充分に見極めて多頭飼いを検討してみてくださいね。
③「なぜ多頭飼いをしたいか?」を飼い主さん自身がよく考えよう
「先住犬のために多頭飼いをしたい」と考える飼い主さんもいるかもしれませんが、いざ望むような結果が得られなかったときに、犬も飼い主さんも幸せになれません。
新入り犬を迎えるのは、飼い主さん自身の責任です。新しいコを迎えて、どんなことがあっても愛せる覚悟があるかどうかを、飼い主さんは自問自答してみましょう。
④多頭飼いを検討するときは、家族でよく話し合おう
ごはんやお散歩などの日々のお世話、健康チェック、通院などをおこなうのはひとりでは大変です。飼い主さんに余裕がなくなると、犬の小さな異変にも気づけなくなってしまうこともあるでしょう。
また、お世話する人が体調不良のときに、ほかの家族が犬のお世話をできないこともよくありません。お世話を協力できる大人が犬の頭数と同じ人数、できればもう1名いるのが望ましいです。そうすれば、ひとりあたりの負担も少なくなりますよね。
誰かがお世話をできない状況になったとしても大丈夫なように、家族の協力は不可欠です。
⑤金銭面に問題がないかよく考えよう
犬たちとともに10年以上生活するなかで、飼い主さん自身の生活が変わったり、病気をしたりなども考えられます。そのようなときでも、犬を飼い続けることのできる余裕があるのかどうか、よく考えましょう。
とくに動物病院に入院、手術となると、数十万単位のお金が必要になります。多頭飼いの場合、犬が同時に病気になることも想定しておかなくてはなりません。
今一度、金銭的な面で問題がないかを考えてみるようにしましょう。
⑥災害時のことも考えておこう
避難時は犬だけでなく、飼い主さん自身で必要なものはもちろん、犬のフードなどの必要品も持ち出すことになります。飼い主さんも犬も安全に避難できるかどうか、シミュレーションしてみてください。
「多頭飼いをしたいな」と考えている方は、犬も飼い主さんも幸せに暮らせるよう、ぜひ上記の6つのことを参考にしてみてくださいね!
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
文/雨宮カイ
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