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犬が引っ張るから「胴輪」は逆効果?|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.25
今回は胴輪に関するお話。「首輪って苦しそう・かわいそう」「引っ張ったときに首が痛いだろうから」という理由で胴輪を使っているかもしれませんが、実は間違いって知っていましたか? 引っ張りグセが直るどころか、ますます引っ張る犬になってしまうのだそう。その理由がわかります(編集部)
胴輪です。
私は犬のトレーニング以外にも、犬や猫にまつわるさまざまなもの、こと、それも昔からの事情に詳しいのですが、それは親がペットの仕事をしていたからです。
1967年に新宿の百貨店にペットショップを出店。私自身は大学卒業後、ペットと無関係な企業に10年ほど勤めたのち、1991年から店の経営を手伝うようになりました。
1991年は、まだまだ番犬が大勢を占めていた時代です。
とくに中・大型犬の胴輪といえば、革製の2種類のみ。
違いは柄や形状といったデザインではなく、革の程度と作り、突き詰めると値段の違い。
財布に余裕のある飼い主は高い方を、余裕がない人は安い方を選ぶ、そのぐらいの違いでした。
コンパニオン・ドッグの増加に伴って
コンパニオン・ドッグとして犬を飼う。これはペット先進国の欧米の犬の飼い方です。飼い方の輸入と並行して、商品や他の情報も、さらには商品そのものもどんどんと輸入されました。
当初は胴輪も輸入品がメインでしたが、やがて国産品も増えていきました。
デザインのバリエーションも豊富。見た目にも購買意欲を刺激する。首輪よりも値段も高く設定できる。要は直接利益に結びつく。
どこのペットショップでも店頭に占める胴輪の割合を、どんどんと増やしていきました。
引っ張るから胴輪は「?」
胴輪はそもそも、引っ張るための道具だからです。
ソリを引く作業犬たちは胴輪を装着しています。苦しくなく、力いっぱい引っ張ることができる。
首輪だと苦しいくらいに引っ張る、飼い主の前をぐいぐい歩き、突進傾向のある犬。そうした犬は、危険なものを口にする、飛び出しによる事故のリスクも高い。
犬の安全のことを考えるのなら、引っ張らないようにするにはどうするかをまず考えるべきなのです。
根本的な解決は、適切な指導を受け、引っ張らないようにトレーニングをすることです。
トレーニングに適した胴輪も存在する
一般的な胴輪は背中側にリードがつきますが、イージーウォーク・ハーネスはリードが、犬の胸側のリングにつきます。
犬が引っ張ると、進行方向に向かう力のベクトル生じます。リードが胸についているとすれば、リード方向に向かう(飼い主方向に向かう)もうひとつの力のベクトルも同時に生じます。
すると、この2つの力のベクトルにより、犬には進行方向に対して横方向に向かう力のベクトルが生まれる。
前方に引っ張れば引っ張るほど、横方向への力が働き、前に進みにくくなる。
トレーニングで引っ張らないようにするのには時間はかかりますが、イージーウォーク・ハーネスを装着すれば引っ張りが軽減でき、トレーニングも効率的に進められます。
「引っ張りにお悩みなら、胴輪をおすすめしますよ」。
もしその胴輪がイージーウォーク・ハーネスでなければ、ショップ店員のその誘い言葉には、くれぐれも引っ張り回されないようにご注意ください。
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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