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愛犬のオスワリ、家でできても外でできない理由|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.42
今回は、「家ではオスワリができるのに、外だとできない犬が多いのはなぜか」について。これは西川先生のしつけ方教室で、飼い主さんから最も多く寄せられるお悩みだそう。その理由を探ります(編集部)
それぞれのクラスは、数回を一区切りとしていて、各回の間隔は基本1週間ほど空けて進行させていきます。
ピアノのお稽古のようなもので、今日行ったレッスン内容を次回までおさらいをしてきてもらう。その繰り返しで階段を昇るようにして、各クラス設定されたゴールまで進めていく。
私のお教室のパピークラス、初級クラスでは毎回、次回までおさらいしてきてもらう内容を記したプリント「Home Work Sheet」と、おさらいの状況および質問やお悩みなどを記したもらうための用紙「Wan Wan Diary」をお渡しします。
さて後者の「Wan Wan Diary」ですが、多くの飼い主が共通のお悩みを記してきます。今回はそのひとつをご紹介しましょう。
家ではできるのに、外ではできない
多くの飼い主さんは、不思議に思うようです。
服従させることをよしとしていた時代であれば、「家でできるのにやらないのは飼い主に逆らっている」と、力づくでもさせようとしていたでしょう。
もちろん、それはNGです。
例えば、2メートルの高さに30㎝幅の板が渡されているとします。普通の人なら少し足がすくむ高さではないでしょうか。その板を渡ることを、強要されたらあなたはどう感じますか?
より足がすくみ、しゃがみ込むかもしれません。仕方がなく渡るかもしれませんが、強要した相手を好きにはなれないはずです。
外でできないことを、外で犬に無理にやらせようとするのは、それと同じです。
無理にやらせようとすればするほど、犬はできなくなる。そればかりか、犬との関係が悪くなってしまうのです。
外でできない理由は
そこならスタスタ歩けるはずです。
30センチ幅の板の上を歩くという行動は同じでも、高さによって歩ける、歩けない、の違いが生じる。
これは、交感神経、副交感神経の影響によるものです。
リラックしているときに働くのは、副交感神経。一方、緊張しているとき、興奮しているとき、ストレスがかかっているときに働くのが、交感神経。
交感神経が働くと全身にさまざまな影響がでてきます。体性感覚が鈍くなる、体がスムーズに動かなくなる。
家でできることが外でできないのは、外ではこの交感神経の影響を強く受けているからなのです。
解決策は慣らすこと
ではどうしたらいいか。
まずは外で、何もさせようとせず、フードをあげてみることです。
そもそも、フードを口にできないのは、緊張、興奮、ストレス状態に陥っているということ。
フードを口にできないのであれば、口にできる場所を探し、増やすことです。
フードを口にできる場所が見つかる、フードを口にできればフードで犬の鼻先の向きを変えていける、それも簡単にできるようになってくれば犬を動かすことができる、それができればアイコンタクトの練習ができる、それができればオスワリもできる。
要は少しずつ慣らしていくということ。慣れてくると、できることも増えてくる。できることが増えてくると、さらに外が平気になっていく。
まぁ、そういった次第なのです。
以上、同様のことを記してお返ししているわけです、それぞれの「Wan Wan Diary」にも。
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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