犬が好き
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放浪中に保護された犬が歩む第2の犬生。愛犬のために家族が守るルール
ゆずちゃんが保護されたことを知り、運命を感じた
きららちゃんが突然の病気で亡くなり、2年半が経ったある日のことです。保護団体「ゆめまるHAPPY隊」にゆずちゃんが入隊した、という記事を飼い主さんは目にします。
「ゆずちゃんを引き取りたい」と強い思いを抱いていたところ、何組かいた候補者の中から飼い主さんご家族が新しい飼い主に選ばれたのだとか。こうして、ゆずちゃんと家族になることができたのでした。
ゆずちゃんと一緒に過ごす中でわかってきたことも…
飼い主さん:
「ゆずと初めての散歩のとき、私もゆずもすごく歩きにくくて。もしかしたら、リードをつけて人と一緒に歩くということが初めてなんじゃないかと感じました。それに、オスワリやマテもできませんでした。ゆずは、一般家庭で飼われていたコじゃないのかも…そんな気がしたんです」
日課のお散歩は、飼い主さんにとっても幸せな時間に
飼い主さん:
「ゆずにはあまり関係ないかもしれませんが、四つ葉のクローバーを探しながらとか、自然を満喫しながら楽しい散歩の時間を過ごしています。夕方の散歩から帰ってきたら、家のベランダでもう一走り! 走り終えると、ベンチに座っている私の隣にちょこんと座って『ナデて!』を強要してきます(笑) 暮れゆく空を見ながら、ゆずをナデナデしている時間はたまらなく幸せです」
ゆずちゃんはかけがえのない存在
飼い主さん:
「父は脳梗塞を患い、足に多少麻痺が残ってしまいふさぎ気味でした。でも、ゆずがうちに来てからはずいぶんと明るくなり、歩行器を使ってのリハビリを積極的にするようになりました。
今では、リハビリから帰ってきてゆずにおやつをあげるのが日課に。おやつをあげるときにマテをさせると、キラキラした目で父の目を見つめます。ゆずのその顔を見ているのがたまらないようで、父の顔もニコニコするんです」
飼い主さん:
「特別なことはできないし、平凡な日々と思うかもしれないけど、ずーっと一緒にいるって約束するよ。ゆずにとって二度目のスタートが、パパとママのところでよかったって思ってもらえるように。そしてパパとママはこう思っているよ。うちのコになってくれてありがとう。」
【ゆずちゃんのその後に迫る】前回の取材から約1年半が経過した今、どんな日常を送っているのかを聞いた
前回の取材後に、たくさんの反響が
飼い主さん:
「Instagramにたくさんの『いいね』とコメントをもらいました。 たくさんの方に記事を読んでもらい、『保護犬だったゆずちゃんが、第二の犬生を幸せに暮らしている様子を見てあたたかい気持ちになります』『ゆずちゃんがいつも楽しそうに笑っているのは、素敵な家族と巡り会えたからだね』『記事を読んで泣いちゃった』 など、本当に多くのあたたかいコメントが嬉しかったですね」
飼い主さん:
「同じ市内に住む方からは、記事を読んで保護犬について理解をいただき、ゆずを保護してくれた団体の力になりたいと思ってくれる方も現れ、私も本当に嬉しいです。『ゆずが来てくれたからこの気持ちを感じることができたんだ』と、改めてゆずと家族になれたことに感謝しています」
以前よりも、自己アピールができるように
飼い主さん:
「Instagram用にゆずの映え写真や動画を撮りたいのですが、最近スマホを向けると嫌がってそっぽを向いてしまうのが目下の悩みです。 何とかしたいと名前を連呼したり奇声を発したりして注目させようと頑張るのですが…一向に反応しないゆずと私のやりとりを近所の方に見られて恥ずかしい思いをしたりしています(笑)」
飼い主さん:
「主に遊びのお誘いですが、自己アピールが多くなりました。 好きなおもちゃを持ってきて『遊びたいでしょ!』って誘ってきたり、 隣に座って『触りたいでしょ!』って目を見つめてきます。
ナデナデしないと『こうですか?』とくっついてみたり、体勢を変えたりしてナデナデを強要してきます(笑) 『もう寝るよー』ってケージに入れようとすると『抱っこ拒否犬』のようになって、床に張り付いたり、逃げ回ったりして何とかまだ遊ぼうと頑張っています」
飼い主さん:
「平凡な毎日ではありますが…今、いろいろな制限がある生活の中で、ゆずと戯れるなんでもない時間が平和であり、家族の癒しです」
ゆずちゃんを不幸にさせないために、家族で守っているルールが
飼い主さん:
「ゆずとの生活の中で保護犬を特別に意識することはありませんが、家族の中で守っているルールがあります。それは、『外では絶対にリードを離さない』ことです。保護犬になってしまう理由はさまざまだと思いますが、迷子もその一つ。ゆずと散歩中に、迷い犬を2回保護したことがありますが、その際もいろんなことを考えました。
迷子で保護されたゆずを再び不幸にしないためにも、私たち家族は外では絶対にリードを離さないことを守っていくと決めています」
「また、保護犬を迎えることで、不幸なワンちゃんを助けていると思われているかもしれませんが、とんでもないです。こんなに楽しく素敵な生活をもたらし、私たちに幸せをくれたゆずに感謝の気持ちでいっぱいです。『うちのコになってくれて本当にありがとう、ずーっと一緒だよ』と、改めてゆずにも伝えたいです」
「最後に、犬や猫を保護する団体、ボランティアのみなさん、多くの人の尽力によってゆずのようなコたちが悲しい最後を迎えることなく、再び第2の犬生を歩むことができています。改めてになりますが、本当に感謝しています」
飼い主さんご家族と出会い、幸せな第2の犬生を歩んでいるゆずちゃん。素敵な日常の様子は、ぜひInstagramでもご覧ください。
取材・文/雨宮カイ
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