犬が好き
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夫婦で何度も話し合い、覚悟をもって迎えた野犬→家族になって約2カ月、少しずつ心を開く姿

デクちゃんとの出会いの経緯などについて、飼い主さんご夫婦にお話を伺いました。
保護犬を迎える決意をしたときに、野犬だったデクちゃんと出会った

ご夫婦には、「もし犬を迎えるなら、飼育放棄されてしまったコや、元野犬で殺処分が決まっているようなコを迎えて、不幸せな環境から犬を救ってあげたい」との共通の思いがあり、保護犬を家族に迎えることを考えていました。
住んでいる地域の保健所以外にも、犬猫を保護している施設を訪ねたりしていたそうですが、そのときに考えさせられる出来事があったといいます。

「施設に来て2年経つコがいましたが、まったく人馴れしておらず、私たちが近づこうとすると怖いものを見る目で逃げました。実家で犬猫を飼育していましたが、飼い犬の世界しか知らずにいたので、2年経っても人馴れしない元野犬のコを目の当たりにし、ショックを受けました」
ご夫婦は心のどこかで「保護犬でもすぐ慣れてくれるだろう」と思っていたそうですが、施設を訪れてみて自分たちの考えが甘かったことを痛感したそうです。

「迎えたコが人馴れをするまでに2年や3年かかるかもしれないことを想定し、それでも大丈夫かどうか、夫婦で何度も話し合いました。そして、保護犬を迎える決意ができたんです」

そして対面したとき、係留場の隅っこで怯えていたデクちゃん(推定生後6カ月)の姿を見て、ご夫婦は「このコを迎えよう」と迷いなく決めたのでした。
ビビリだけれど、とても賢いデクちゃん
ご夫婦は「犬は吠えることが当たり前」だと思っていたそうですが、デクちゃんはまったく吠えず、迎えた頃は自己表現ができなかったといいます。
そんなデクちゃんは、ご夫婦と生活をともにするなかで少しずつ心を開いてくれて、最近ではどんどん行動範囲が広がってきているのだそうです。
「自分の寝床で縮こまっていたコが、私たちのソファの上で寝るようになったり、姿が見えなくなると後を追いかけてきたりして、どんどん『犬っぽく』なってきたなぁと思います。
デクが初めておもちゃに興味を示した日、初めて吠えた日、初めてしっぽを振った日…飼い犬だと当たり前に思えるような行動もデクにとっては特別で、一個一個が大切な思い出です」
デクちゃんを迎えて、笑顔がより一層増えた

飼い主さん:
「デクと家族になり、犬を第一に考えて生活するようになりました。お散歩に行くために朝早く起きるようになったり、『これを買ってあげたらデクが喜びそうだな〜』とか考えながら買い物するとか。デクを迎えて家庭により一層笑顔が増えたと思います」

「デクにとって怖いことはまだまだたくさんあるので、そばで見守りながら一緒に乗り越えていきたいです。最近デクのために車を購入したので、いろんなところに出かけていろんな経験をさせてあげたいです。
野犬時代の暮らしと比べて、『今のほうが幸せ』と思ってもらえるように、夫婦で愛情を注いでいきたいですね」
取材・文/雨宮カイ
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