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犬もペットロスに…愛情深い犬の話に切なくなる|連載「こぐま犬てんすけ」vol.105
同居犬を思いやるわんこ

大切なお姉ちゃん犬を見送りたい

今回はお友達わんこのお話をします。
去年、てんすけの友達わんこが天国に旅立ちました。
とても小さいチワワちゃんで、怖がりだったため会うときはいつも抱っこされていました。
そして、その子の住む家に新しく引き取られた弟分のMIXくん。
てんすけと同じ元保護犬です。
子犬の頃は怖がりお姉ちゃんのチワワちゃんに、遊ぼうとじゃれに行っては怒られていた弟分くん。
体もお姉ちゃんより何倍も大きくパワーもあるのに、一緒に暮らしていて喧嘩もせず、体の小さいお姉ちゃんチワワのことを認めているように見えました。
そんな二人とよく公園で会っていたのですが、ある時から弟くんだけしか来ない日が続きました。聞いてみると、チワワちゃんはてんかんの発作が起こるようになり、あまり刺激を与えないほうが良いので散歩は控えめにしているということでした。
そしてそのうち、てんかんの発作は頻繁になり、医者から「次に大きな発作が起こったら命の保証はない」と言われるまで悪化しました。
その頃からあまり公園で会わなくなり、どうしてるかと心配していたら、ある時「天国に旅立ちました。かわいがっていただいてありがとうございました」という連絡が…。
その時、グループLINEに次々に貼られた生前の可愛い写真や動画。小さい体で病弱ながらも一生懸命生きていたその子の姿に私も涙が出ました。
チワワちゃんがこの世を去ってから数日後、弟くんを散歩させている飼い主さんに会いました。その時、弟のMIXわんこが、亡くなった当日どれほど悲しんだかという話をしてくれました。
チワワちゃんが亡くなって、子どもたちが、眠っているその子に近づこうとしたら、そばにずっと寄り添っていた弟わんこが吠えたそうです。
その、まるでお姉ちゃん犬を守るかのような行動に家族もびっくりして、そのままそばにいさせることにしたと。
朝までお姉ちゃんの体を守り続けた弟わんこ。次の日に火葬することになり、頼んだ業者の車まで運ぶ時、泣きながらママさんの足にすがりついてきて、まるで「お姉ちゃんをどこに連れて行くの!?どこにも行かせないで」と言っているようだったそうです。
火葬する車に渡したあともそばを離れようとせず、ひたすら車をじっと見てお姉ちゃんが出てくるのを待っていた弟わんこ。
その深い悲しみを思って、飼い主のママさんは涙がこぼれ落ちたと言って、涙ぐみながら話してくれました。
数年ではありますが、家族として一緒に暮らしていたお姉ちゃんチワワのことを見守り続け、てんかんの発作が起こったときはママさんに知らせに行ったMIX君。
普段ツンデレの犬と暮らしている私にとって、そのお話は犬の感情表現の豊かさに驚き、心を動かされました。
普段から私にとても懐いてくれているので、会うとまるで長い間離れていた飼い主に再会したようにおお喜びでじゃれついてくれる子なのですが、チワワちゃんが亡くなってすぐに会ったときはとてもションボリとして、いつものテンションではありませんでした。
「自分が悲しいより、この子が元気がないほうが心配」と言っていた飼い主さん。
幸い、その後時間がたったら元気になっていて、またあのハイテンションな喜び方でじゃれついてくれたので安心しましたが、犬がペットロスになる様子を初めてみて、改めて犬って愛情が豊かな動物なんだと感じました。
最後までおねえちゃん犬を守りたかった弟くん。これからは一人っ子になったけどいつまでも元気にしっぽを振っていてほしいと思います。
小さいおねえちゃんと大きい弟くん

てんすけとも仲良しでした。

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