犬の耳の病気で一番多いといわれている「外耳炎」。蒸し暑い梅雨から夏の時季は、より発症リスクが高まるのだとか。しかし、外耳炎は意外と気付きやすい病気でもあります。
そこで今回は、外耳炎の症状のなかで、特に飼い主さんが気付きやすいものを、獣医師の平野翔子先生に伺いました。
耳アカがたくさん出る
膿のような耳アカは、外耳炎を発症しているサインです。また、粘り強くて茶色い耳アカも、外耳炎によって分泌しているおそれがあります。
もともと耳の分泌腺が多く耳アカも多いタイプの犬は、耳アカの量がいつもより多いと思ったら外耳炎を疑ってみてもいいでしょう。
耳にフケが出る
外耳炎になると、外耳の皮膚のターンオーバーが崩れ、フケが大量に出ることがあります。耳の見える部分にもフケが目立つようになることも。耳周辺のフケに気付いたら、速やかに動物病院で診察を受けましょう。
耳が臭い
分泌量が増えてたまった耳アカに、マラセチア(真菌)などの常在菌が増殖すると、臭いニオイが発生します。外耳炎が悪化すると、膿のような耳垂れが出ることがありますが、これもニオイの原因に。愛犬の耳のニオイは、こまめにチェックしておくといいですね。
愛犬が耳をかく
炎症によって、耳にかゆみや違和感、痛みなどが出ていると、頻繁に耳や頭をかくようになります。耳をかくしぐさは健康な犬にも見られますが、いつもより回数が多い場合は、外耳炎を疑いましょう。
また、耳を床やクッションなどにこすりつける、頭を振る、頭を傾けるといった行動も、かゆみが原因かもしれません。
耳が赤い
犬の耳が赤いのは、炎症を起こしているからだと考えられます。外耳炎は、耳の中から外に向かって炎症が広がっていくため、見えるところは問題なくても、耳の中は真っ赤に炎症していた……なんてことも。
外耳炎の症状は、見た目やニオイで気付けるものがたくさんあります。愛犬の外耳炎にすぐ気付くためにも、症状に気づいたらすぐ対処するようにしましょう。
お話を伺った先生/平野翔子先生(ぬのかわ犬猫病院獣医師 日本獣医皮膚科認定医 日本獣医皮膚科学会、アジア皮膚科学会所属)
参考/「いぬのきもち」2023年6月号『『いぬのきもち』読者の3.5人に1人が経験者 梅雨どきからかかりやすく再発も増える やっかいな外耳炎と決別!!』
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。