災害時の同行避難のマストアイテムといえる「クレート」。ふだんからハウスとして部屋に置き、愛犬に慣れさせておきましょう。今回はクレートを「ハウス使い」して愛犬を慣らす方法をご紹介。「ペット防災せたがやネットワーク」代表理事の浜田あゆりさんに伺いました。
最初は使ってくれなくても部屋に置いておこう!
犬は本来、狭くて薄暗い「巣穴」のような場所を好むので、じつは「クレート」はハウスに最適。扉は開けておくか取りはずした状態で愛犬の生活スペースに置いておいて。時間はかかるかもしれませんが、見慣れて自ら入るようになることが多いです。
しばらくしても入らない場合は……
●クレートに入れて愛犬の好きな場所へ連れていこう!
「クレート=動物病院」などと悪い印象になっているかもしれません。愛犬が好きなドッグランや公園などに行く際に、クレートに入れていい印象にシフトするようにしましょう。
●おやつを利用してクレートの中へ誘導しよう!
クレートに向かって、おやつで〝道〞をつくり、さらにクレートの中にもおやつをばらまいておきましょう。これを何度も繰り返して慣れさせれば、自ら進んで入るようになるでしょう。
どうしても入らない場合は……
●練習として段ボール箱に入るところから慣れさせよう!
四方が囲まれた空間に入ることが苦手なのかもしれません。犬が好みがちな段ボール箱をクレートのように置き、まずはその中に入ることから慣れさせてみましょう。
「クレート」は置き方を工夫すれば立派なシェルターに!
地震が起きたときに、落下物などから愛犬を守るためには屋根つきの頑丈なケージがベストですが、部屋の広さによっては置けないことも。頑丈な机の下や押し入れの下部などにクレートを設置すると立派なシェルターになります。
「クレートと机の間に物を詰めこんでいるのは、地震の揺れでクレートが机から飛び出さないようにするため。机の上には落下するようなものは置かないようにしています」(浜田さん)
災害や避難を要する状況はいつ起こるかわからないからこそ、日ごろからクレートに慣らしておくことが大切だと再認識させられますね。入らなくてもまずは「置いておく」ことから始めてみませんか?
お話を伺った先生/「ペット防災せたがやネットワーク」代表理事、愛玩動物飼養管理士 浜田あゆりさん
参考/「いぬのきもち」2023年6月号『愛犬の「ハウス」まんまじゃダメなんです!』
文/いぬのきもち編集室