人と人との関係ではよく言われる「パートナーシップ」。愛犬との間にも存在します。でもせっかく深めた愛犬とのパートナーシップも、飼い主さんの行動により崩れてしまうことも。今回は、愛犬とのパートナーシップと、注意したい飼い主さんの行動について獣医師・博士(獣医学)の増田宏司先生に伺いました。
愛犬との“パートナーシップ”とは?
愛犬との暮らしでお世話や散歩など飼い主さんがすべきことはたくさんあります。そのためつい「人が犬をお世話をしてあげている、幸せにしてあげている」と思いがちですが、その逆で、私たちは日ごろ、愛犬から多くのことを「助けられて」います。たとえば、家族の会話が増えたり、近所づきあいが広がったり、毎日の散歩で疲れにくい体になったり。
私たちは犬という動物に寄り添って考え、行動すれば、自然に犬と助け合い、支え合うということにつながります。これが「人と犬とのパートナーシップ」です。
愛犬とのパートナーシップが崩れてしまう!?気を付けたい行動とは
人と愛犬とのパートナーシップですが、ちょっとしたことで悪化する可能性があります。
嫌がるお手入れを強引にやる
お手入れは愛犬の性格や状況に合わせて少しずつ慣れさせるのがセオリーです。その手順を省いて人の都合で無理に行うのは、愛犬の気持ちを無視しているようなもの。何度も繰り返せば、当然パートナーシップも崩れます。
「かわいいから」 「嫌われたくないから」と甘やかす
愛犬の要求をそのままのんだり、必要なしつけやお世話をせずにいたりするのは間違い。愛犬にとって飼い主さんが「思うとおりにしてくれる都合のいい存在」になり、対等な関係ではなくなります。また思いどおりにならないときに強いストレスを感じるようにも。
たたく・ 激怒する・ 引っ張る
たたいたり、首や体を強く引っ張ったりすることは暴力です。感情的に怒ることも犬にとっては暴力と同じくらい恐怖を感じること。怒り方によっては信頼関係が崩れてしまうので、決してやらないで。
散歩中、 ほかの飼い主さんと 長時間立ち話をする
愛犬が隣にいるにもかかわらず、気を向けずにほかの人と話している状態は、愛犬にとって無視されているのと同じ。本来、散歩中はいつでも愛犬に気を向けているべき時間です。話は短時間ですませるか、どうしても話さなければいけないなら愛犬も会話に参加させて。
愛犬をののしる・ 愛犬の前で ネガティブな 発言ばかりする
言葉の意味はわからなくても、冷たい表情や怒ったような口調で何かを言われ続ければ、愛犬は不安や嫌悪感をいだきます。当然、そんな人に気持ちを寄せようと思わなくなり、パートナーシップも築けません。人の悪口も愛犬の前で言うのは控えましょう。
愛犬の前でずっとスマホをいじっている
つい手にとってしまうスマホは、愛犬にとって「飼い主さんを奪うなぞの物体」。飼い主さんが自分を相手にせずスマホばかり見ていれば、無視され続けているような状況なので、不満や不安につながります。当然、関係にも少しずつひびが入っていくでしょう。
「愛犬とのパートナーシップが崩れるとしたら、それは「犬に寄り添った考え」ができていないときです。人に都合よく解釈したり、人本位で行動したりすれば、対等な立場は崩れてしまいます。愛犬は飼い主さんをよく見ています。それに負けないようにこちらも愛犬をよく見て、寄り添ってあげられるといいですね」(増田先生)
お話を伺った先生:増田宏司先生 (医師。博士(獣医学)。東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2025年1月号『愛犬とのパートナーシップの深め方』
文/いぬのきもちWeb編集室
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
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