愛犬が留守番をしている間にストレスを感じていないか、気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。そこで今回は、よくある留守番のシチュエーション別に、犬のストレスになるのか、ならないのかについて、家庭犬訓練士の岡田敏宏先生にお話を伺いました。
ストレスになるかどうかは犬によって異なる
犬にとってストレスがかかるといわれることも、犬の状態や気質、性格などで受けるストレスの度合いが異なるため、ストレスかどうかは犬によって異なる場合があります。愛犬がストレスを感じているかどうかは行動に表れます。
犬のストレスは、行動に表れます。あくびをする、鼻や足をなめるなどのカーミングシグナル(ストレスのサイン)といわれるストレスのサイン。
犬にとって本来ストレスとされる状況を知ったうえで、愛犬のサインを見逃さないことが大切です。
「平日は仕事で長時間の留守番」はストレスになる?
留守番時間が4時間を超えると、犬のストレスになるという研究結果があります。留守番中に犬が寝ていたり、遊んでいたりすればリラックスできているので安心ですが、留守番時間は短いに越したことはありません。留守番時間が長くなる場合は、飼い主さんのニオイがついたものを置いたり、見守りカメラ越しに話しかけたりするなど、愛犬ができる限り安心できるようにしましょう。
※留守番時に与えるおもちゃは、天然ゴム製のおもちゃなどひとり遊びで使用できる安全性の高いものにしましょう。
「勤務が3交代制で留守番する時間帯が不規則」はストレスになる?
留守番の時間の長さが不規則な場合は、ストレスが高そうですが、留守番の長さが一定で時間帯だけが不規則なら、犬も3パターンのうちどれかがわかるようになり、慣れるのでストレスは弱めです。
「2頭同じサークル内で留守番」はストレスになる?
2頭が仲よしでもプライベートがない状態では、ストレスが強くなる可能性があります。サークルやケージは「単独で安心できる場所」として1頭につき1つが基本。ふだんどんなに仲良しでも”ひとり”で過ごしたいときに休まる場所がない環境は、じつはストレスが強くなる可能性があります。
留守番のしつけをして安全に留意したうえで、部屋でフリーにさせるのが理想ですが、難しい場合はサークル内に頭数分のクレートを設置しましょう。また、フリーにさせる場合もクレートは頭数分必要です。
「平日と休日の留守番の差がある」とストレスになる?
留守番がある日とない日があっても、それが同じサイクルであれば、犬は慣れるのでストレスを感じないでしょう。ただし、決まった曜日が休日の場合、まれに人でいう「土日病」のように明日から飼い主さんがいないことを察して寂しく感じる犬もいるので、休み明けの留守番は、不安や退屈を感じないよう対策しましょう。
愛犬の様子をよく見て、留守番時の参考にしてみてくださいね。
お話を伺った先生/岡田敏宏先生(「Pet Life Consulting シンビオーシス」代表 家庭犬訓練士 動物看護師 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 トリマー ペット共生住宅管理士)
参考/「いぬのきもち」2025年5月号『我慢させている?意外と大丈夫?うちのコにとってこれってストレス?』
文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。