寒さや乾燥などが厳しい冬は、知らず知らずのうちに愛犬の体に負担がかかり、不調を起こしやすい季節です。そんな犬の冬の不調には、ツボを刺激するマッサージを取り入れてみるのがおすすめ。今回は、冬の不調に効くツボマッサージ法を、アニマル・ケアサロンFLORA院長の中桐由貴先に教えていただきました。
愛犬のマッサージをする前に確認!
ツボのマッサージは難しそうと思われがちですが、実は思っているより簡単。まずはマッサージを始める前に、確認しておきたいポイントをご紹介します。
自分の手の甲を押してみて痛くないくらいの強さで行う
自分の手の甲を指で押して、痛くなく、かつ骨や筋肉がしっかり感じられる程度の強さがベストです。ただし、おなかまわりを刺激するときだけは、少しだけ力を弱めにしてください。
手が冷たいときは温水で温めてから始める
飼い主さんの手が冷たいと、せっかくマッサージをしても愛犬の体がこわばってしまいます。マッサージを始める前に手の温度を確認し、冷たければ温水で温めてから始めましょう。
ツボはピンポイントではなく広めにとってOK
「ツボはピンポイントでとらないと」と思われる方も多いですが、ツボのまわりを広めに刺激しても十分に効果が期待できます。大体このあたり……という感覚でも問題ありません。
愛犬がリラックスしているときに行う
マッサージを行うタイミングは、愛犬が飼い主さんのそばに寄り添ってきたときや寝る前など、リラックスしているときがベストです。マッサージを始めやすく、愛犬がより心地いい気分になれますよ。
ではさっそく、マッサージのやり方を見ていきましょう。
なんとなく元気がないときに! 免疫力アップのツボマッサージ
左右の耳の入り口の少し上にある耳門(じもん)と、左右の目尻の斜め上にある糸竹空(しちくくう)というツボを刺激します。耳門は気持ちをリラックスさせ、糸竹空は目や頭をスッキリさせる作用があります。
STEP 1. 愛犬と向かい合い親指で目尻(糸竹空)を押さえる
愛犬と向かい合い、左右の眉尻のくぼみにある糸竹空に親指を当て、ギュッと2~3秒押して刺激します。残りの4本の指は、愛犬の頭を包みこむように後頭部に添えると安定します。
STEP 2. 耳のつけ根(耳門)に向かってゆっくりスライドさせる
そのまま親指を耳門に向かってスライドしてマッサージ。耳門まで来たら、2~3秒押して刺激しましょう。
STEP1~2を6回繰り返します。
空気が乾燥しているときに! 呼吸が楽になるツボマッサージ
胸骨のいちばん頭側のくぼみにある天突(てんとつ)と、みぞおちの少し上、胸の真ん中あたりにある膻中(だんちゅう)を刺激します。天突はのどの乾燥、膻中は胸やのどの痛みを軽減させるのに役立ちます。
STEP 1. 愛犬をあおむけにし、首元(天突)に指3本を当てて押す
まず、飼い主さんの足の間などで愛犬をあおむけにしてリラックスさせましょう。指3本を天突に当て、ゆっくりと力を入れていき、2~3秒ほど押して刺激します。
STEP 2. 体の中心を通り、胸(膻中)まできたら軽く押す
天突を刺激したら、そのまま体の中心に沿って中までマッサージします。膻中まで来たら軽く押して刺激していきましょう。
STEP1~2を10回繰り返します。
イライラしているときに! 体を温めストレスを緩和するツボマッサージ
前足の関節(手首)の真ん中にある陽池(ようち)を刺激します。血行を促進して体を温める効果が期待できます。
STEP 1.前足の表から少し下(陽池)に親指を当てて押す
抱っこをするなど、愛犬と体を密着させて落ち着かせます。前足を持ち、陽池に親指を当て、3秒押して刺激しましょう。これを左右5回ずつ行います。
STEP 2. ゆっくりと円を描くようにマッサージする
小さな円を描くようにクルクルとマッサージし、終わったら反対の前足も同様に行います。これも、左右5回ずつ繰り返します。
マッサージを行う際は愛犬の様子をよく見て、つらそうにしていたり、嫌そうにしていたりしたらすぐに中止しましょう。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
お話を伺った先生/中桐由貴先生(アニマル・ケアサロンFLORA院長 日本ペットマッサージ協会理事)
参考・写真/「いぬのきもち」2021年2月号『寒さでストレスがたまる、免疫力が低下する……冬の“プチ不調”はツボマッサージでケアしよう』
文/東みお
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。