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ボートレーサーを引退し第2の人生に「保護犬ボランティア」を選んだ愛犬家 疲弊する人たちを見て考えたこととは

時間や労力を惜しみなく注いで、一頭でも多くの保護犬を〝笑顔〞にするために邁進する愛犬家にクローズアップ。今回は、ボートレーサーを引退し、第2の人生に犬の預かりボランティアを選んだ池田明美さんのお話です。

ボートレーサーを引退し、犬の預かりボランティアで幸せのループを育む

池田明美さん
池田明美さん
池田明美さん
1997年、ボートレーサーとしてデビュー。選手として活躍するかたわら、女子選手に有志を募り、動物愛護ユニット「Happy Animals」を結成。競技会場でのチャリティグッズ販売など保護犬のための活動に取り組む。2020年、引退。山口県防府市に居を移し、地域の動物保護団体などと連携しながら「もふらぼvillage」として保護犬猫の預かりボランティアを行っている。インスタグラム:@hanamops

選手生活から一転。人生の舵を大きく切った

1997年にデビューして以来、生涯獲得賞金3億円突破という活躍ぶりを見せた元ボートレーサー・池田明美さん。まだまだ選手続行も可能といわれた2020年、競艇選手としては若い44歳で引退を決意すると、第二の人生として選んだ道が「犬の保護活動」でした。引退後は、山口県防府市に2頭の愛犬を連れて移住。目の前に海が広がる自然豊かなその土地で、新たに4頭の保護犬も迎え入れ、預かりボランティアとして預かる1頭の子犬もいっしょに、計7頭の犬と暮らしています。

「30代後半に、保護犬のためのチャリティイベントを競艇場で行ったのが初めての愛護活動。ずっと犬のために何かをしたいと思っていたけれど、それまで選手生活で手いっぱいでした。このときの私は、自分は何をしているんだろうって考えることが増えていた。ボートレーサーという職業柄、常に体じゅうが痛くて、どんなにお金を稼いだところで減量のためおいしいものひとつ食べられない。自分が本当にしたいことをと思い、一歩を踏み出した感じでした」
 
池田さんは、幼少のころから実家近くで盆栽店を営む祖父母の家によく出入りしていました。広い敷地にはたくさんの犬がいて、物心がついたころにはいつも犬と遊んでいたといいます。中学2年生のときには念願かなって〝自分の犬〞を迎え、19年という年月をともに過ごしました。競艇選手とは別に、大の愛犬家という側面ももっていたのです。
預かりボランティアとして子犬のお世話中
預かりボランティアとして子犬のお世話中

疲弊する人たちを見て何が必要かを考えた

「現役時代、集まった寄付を届けに保護団体を訪れると、とにかく皆さん疲れていた。保護犬たちの世話だけでも、絶対的に睡眠時間が足りていない状態なんです。それで、必要なのは預かりボランティアだって思いました。保護団体の方たちの負担を減らせて、一頭ずつ丁寧に向き合えるぶん、それだけ犬も愛情を受けられる。しつけもできるから新しい飼い主さんも犬との暮らしを楽にスタートできます。持続可能な保護活動を実現していくものだと考えました」
6頭の愛犬と。ミニチュア・シュナウザーの2頭以外は、元保護犬です
6頭の愛犬と。ミニチュア・シュナウザーの2頭以外は、元保護犬です

健全な心と体をもって犬たちと向き合い、幸せの相乗効果をつくり出す一助となりたい!

池田さんは今、敷地内の別棟を犬ファーストの宿泊施設にする計画を進行しています。
「ゲストには愛犬と心地よい時間を過ごしてもらい、ついでに私の預かりボランティアの様子ものぞいて見てもらえたら。活動の輪を少しずつでも広げていきたい。そのためにも、私自身の心と体が健全であることも大事にした暮らしを送っています」
自宅の目の前に広がる海で愛犬たちと。池田さんも思いきり遊び、犬たちといっしょにザブザブと水シャワーを浴びて自宅に戻るのも日常だと話します
自宅の目の前に広がる海で愛犬たちと。池田さんも思いきり遊び、犬たちといっしょにザブザブと水シャワーを浴びて自宅に戻るのも日常だと話します

池田さんからのメッセージ

「行き場のない犬たちのために、おのおのがもつ時間や気持ちの範囲内で必ず何かはできるはずなんです。一歩を踏み出してみると意外と簡単だったりもするものです! ぜひアクションを起こしてみてください」
出典/「いぬのきもち」2023年12月号『保護犬の幸せを届けるサンタクロース』
写真提供/池田明美さん
文/川本央子
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