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犬に与えてOK/NGな魚介 ゆでたマグロとゆでたエビでNGなのは?

いつもは総合栄養食のフードだけど、たまには人の食べ物も与えてみたいな……と思うこと、ありますよね? そんなときに役に立つ「犬に与えてもOK/NGな人の食べ物」を獣医師の林美彩先生に教えていただきました。今回は「魚介編」です。
日本の新鮮な魚と氷の上の甲殻類
ahirao_photo/gettyimages
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犬に魚類を与えるときの共通ルール

・必ず火を通す。生魚や刺し身は与えない。
・食用の魚を加熱して与える。
・骨や内臓、ヒレは与えず、身の部分を与える。
・干物や味がついている魚は与えない。
食中毒や寄生虫感染、食べ慣れないものを食べることでの嘔吐や下痢を防ぐため、刺し身でも必ず加熱して与えましょう。

【あじ・さば・いわし】手軽で栄養満点。ただし傷みやすいので注意

サバのグリル
zepp1969/gettyimages
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〇 与えてもOK(少量程度なら与えても大丈夫)
青魚はEPAやDHA、ビタミンDを多く含みます。脂があるので傷みやすく、まぐろ同様にヒスチジンも多く含むので、新鮮なものを手早く調理し、すぐに与えるようにして。

【たい・ひらめ・かれい】クセが少なくてヘルシーだが、骨に注意!

〇 与えてもOK(少量程度なら与えても大丈夫)
たい、ひらめ、かれいは低脂質高たんぱくでクセも少ないため、犬におすそわけしやすい魚といえます。ただし小骨や硬い骨が多いため、取り除いてから与えましょう。

【まぐろ】かゆみが出やすいのですばやく調理して与えて

〇 与えてもOK(少量程度なら与えても大丈夫)
脳や血液にいいDHAやEPAが豊富。常温に放置すると魚の中のヒスチジンがかゆみ成分に変化しやすくなるので、冷蔵庫から出したらすぐに調理して早めに与えて。

ただし、一般的なツナ缶やツナパウチは、油分や塩分が多いため、犬に与えるべきではありません。水煮でも、調味料や玉ねぎエキスが含まれていることがあり、危険です。原材料が魚と水だけのものなら、災害時の緊急非常食として小さじ1まで与えても。

【ぶり】脳の活性化に役立つDHAが豊富

ブリの塩焼き
okimo/gettyimages
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〇 与えてもOK(少量程度なら与えても大丈夫)
出世魚のぶりには、体の大きさを問わず、脳にいいDHAと血液をサラサラにするEPAが豊富に含まれます。養殖もされているので手に入りやすく与えやすい魚です。

【鮭】抗酸化作用にすぐれた食材。栄養も豊富

〇 与えてもOK(少量程度なら与えても大丈夫)
抗酸化作用があるアスタキサンチンを含みます。ほかにもEPAやDHA、ビタミンDも豊富。与えていいのは加熱した生鮭のみで、塩分が多い塩鮭は与えないで。

【うなぎ・あなご】味のついていない白焼きならおすそわけOK

〇 与えてもOK(少量程度なら与えても大丈夫)
味つけ前の白焼きであればおすそわけ可。なお、うなぎやあなごの血や体表のぬめりには毒があります。加熱すれば毒性はなくなるので、必ず加熱したものを与えて。

【あゆ・にじます】川魚も加熱した身の部分なら与えて大丈夫

Promo_Link/gettyimages
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〇 与えてもOK(少量程度なら与えても大丈夫)
あゆやにじますには、骨の健康に欠かせないビタミンDや、血液をつくる作用があるビタミンB16が豊富に含まれます。天然のあゆはミネラル分もたっぷり。

【いか、たこ、えび、かに】栄養障害を起こしたり、甲殻類アレルギーの危険も

× 与えたらNG!(与えると中毒を起こしたり、健康を害する危険が)
これらはチアミナーゼというビタミンを分解する酵素をもち、生で食べるとチアミン欠乏症を起こす危険が。加熱しても消化が悪く、嘔吐や下痢、アレルギーの原因にも。
ただし、甲殻類アレルギーがなければ、小さく砕いた桜えびを小さじ½ほどトッピングしても。

【貝類】消化しにくいので×。中毒を起こすことも

× 与えたらNG!(与えると中毒を起こしたり、健康を害する危険が)
貝は消化しにくい食材で、口にする機会も少ないため、与えると嘔吐や下痢を起こすことが。あわびやさざえなどは、加熱しても内臓に中毒成分を含むことがあり×。
ただし、食用のあさり、しじみ、はまぐり、かきは、だしをとるのに使うぶんにはOK(身は与えない)。
撮影/尾﨑たまき
撮影/尾﨑たまき
初めて与える食材は、ごく少量を与えて様子を見てください。迷ったら、与えない判断も必要です!
※当記事では、ドライフードを主食としている健康な成犬に人の食べ物を少量与えることを前提として、各判定を紹介しています。
※おすそわけしたら、そのぶんゴハンを減らすようにしてください。
※判定が「×」の食材でも、犬用おやつとして市販されているものもあります。
※どんな食べ物でもアレルギー症状を引き起こす可能性はあります。愛犬に与えて異変が出たら、ただちに与えるのをやめて獣医師に診てもらいましょう。
※問題のない食べ物でも、初めてだと下痢や発疹を起こしたりすることがあります。様子を見ながら少しずつ与えましょう。また、アレルギーや持病のある犬、子犬、シニア犬などに与えると、健康を害することがあります。このような犬に与えるときは必ず事前に獣医師に相談しましょう。
※食べ物を与えるときは、のどに詰まらせないよう細かく切るなどの下処理をしてから与えてください。
※判定や量の目安は最新の中毒報告等を加味して制作しているため、過去の記事の情報と異なる場合があります。
※掲載している情報は、2023年10月6日現在の情報です。

お話を伺った先生/往診・カウンセリング専門動物病院「chico どうぶつ診療所」院長。獣医師 林 美彩先生
参考/「いぬのきもち」2023年12月号『人の食べ物、犬が食べても大丈夫?』
写真/尾﨑たまき、殿村忠博、寺岡みゆき
文/いぬのきもち編集室
※掲載している情報は、2023年10月6日現在の情報です。
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