動物のなかでも人との結びつきが強い犬。今回は、人が好きすぎて独特すぎるアピールをしちゃった犬たちをご紹介します。さらに、犬たちがあの手この手でするアピールについて、犬の行動にくわしい椎木亜都子先生に教えていただきました。
配達のお姉さんにほめられたい犬たち!
「トイレをする=ほめてもらえる」と覚えている桃ちゃん(メス・9才/2.0㎏/ヨークシャー・テリア/やさしい)、苺ちゃん(メス・5才/2.4㎏/マルチーズ/甘えん坊)、桜ちゃん(メス・4才/2.5㎏/ヨークシャー・テリア/マイペース)。週に1回来る配達のお姉さんが大好きで、ほめてほしくて代わる代わるトイレに行ってからお姉さんに駆け寄るのが恒例になったのだとか。ほかの来客者にはそこまでの好きアピールはしないそう。
定期的に来てくれるので覚えて習慣化したのでしょう
犬は定期的に来てくれる人のことを認識して警戒しなくなり、ほめてもらえればどんどん好きになる傾向が。もともと「ほめられる」とセットで覚えている〝トイレ〞で、女性にアピールしているのでしょう。(椎木先生)
トリミングサロンのオーナーさんが大好きすぎて“うれション”を超えた“うれウンチ”!
SARAちゃん(メス・5才/3.2㎏/チワワ/犬見知り)は、月に1回行くトリミングサロンのオーナーさんのことが大好きすぎて、会うと〝うれション〞は当たり前。あるとき何かがポロンポロンと落ちたと思ったら〝うれウンチ〞だったそう。
“うれション”と“うれウンチ”は極度のうれしさの表れです
〝うれション〞や〝うれウンチ〞は、うれしさや興奮を表す行為であるといわれています。SARAちゃんは〝うれウンチ〞までするので興奮の度合いがマックスになっていそうです。叱らずに予想できるシーンではマナーウエアなどを着用させて対処を。(椎木先生)
動物病院スタッフが好きすぎて入院すら大満喫!
1才のころに誤飲で手術をし5日間の入院をしたスパイクくん(オス・1才/10.0kg/フレンチ・ブルドッグ/陽気で天真爛漫)。寂しがったり不安がったりするどころか、人好きなこともあり動物病院の先生や看護師さんにデレデレで入院を楽しんでいたそう。お迎えに行くと、退院するのがさみしそうでしょんぼりしていたのだとか。
治療などの苦痛よりも人と接する楽しみが上回ったのでしょう
動物病院の先生や看護師さんの接し方が上手であっても、手術を伴う入院を心底楽しめる犬はなかなかいないもの。社交的な犬種でもあるスパイクくんだからこそ、治療の苦痛よりも先生や看護師さんと接することを楽しめたのでしょう。(椎木先生)
人が好きすぎるあまり、独特なアピールをする犬たちをご紹介しました。形は違えど、好きを伝えてくれるのはうれしいですね。
お話を伺った先生/獣医師 椎木亜都子先生
参考/「いぬのきもち」2024年5月号『人好きすぎる犬たち』
イラスト/沼田光太郎
文/いぬのきもち編集室