飼い主の涙を見た柴犬が見せた“優しすぎる行動”　おもちゃを差し出したその心理とは？｜獣医師解説

飼い主さんのことが心配だった？

紹介するのは、X（旧Twitter）ユーザー@niko71212202さんの愛犬・エルちゃん（取材当時、生後11カ月／柴犬）。飼い主さんの前に座り、じっと見つめています。

この日は夫が不在で、飼い主さんはお気に入りの映画を観ながらひとり晩酌を楽しんでいたそう。感動のシーンでは思わず号泣。鼻をすすり、声を漏らして泣いていると、寝ていたエルちゃんがソワソワしながら起きてきて、そばに寄ってきたといいます。

優しすぎる行動にキュン

そしてエルちゃんは、自分のおもちゃ箱からボールを取り出し、さらにぬいぐるみも持ってきて床に置き、じーっと見つめてきたのだそう。

最初は思わず笑ってしまった飼い主さんですが、「エルの大切なおもちゃ、くれるの？　ありがとうね。優しいねぇ」と抱きしめ、心配をかけてしまったことを申し訳なく思ったといいます。

エルちゃんの優しさが伝わる行動に、Xユーザーさんからは「健気すぎる…」「優しくて余計泣けちゃいますね」「言葉は無くとも気持ちが伝わってきますね」との声が寄せられました。

お気に入りのおもちゃだった？

これまでにも、飼い主さんが落ち込んだときに膝に乗ってくることはあったというエルちゃん。飼い主さんのもとに何かを持ってきたのは、今回が初めてだったそうです。

この2つのおもちゃは、エルちゃんがとくに気に入って遊んでいるもの。「これでママも喜ぶ」と思ったのかもしれないと、飼い主さんは話します。

飼い主さん：
「『大丈夫？　元気出して！　これ貸してあげるからってことなのかな？』っていろいろ考えたら、今度はそっちに泣けてきちゃいましたね（笑）」

【獣医師解説】号泣する飼い主さんにそっと“お気に入りのおもちゃ”を差し出す犬の心理

飼い主さんが映画を観て号泣していると、エルちゃんが自分のおもちゃ箱からボールを取り出し、さらにぬいぐるみも持ってきて床に置いたそうです。

この行動からは、どのようなことがわかるのでしょうか。いぬのきもち獣医師相談室の白山さとこ先生に聞きました。

白山先生：
「飼い主さんがおっしゃるように、エルちゃんは飼い主さんが“悲しい気持ちになっている”と察して『元気づけよう、喜ばせよう』と考えたのだと思います。

飼い主さんが泣いていることでエルちゃんも不安な気持ちになり、『なんとかしなきゃ！』と考えたのかもしれませんね。

エルちゃんのように、いつもと違う様子の飼い主さんを見て何か行動に移す犬には、傾向が見られると思います。たとえば、

・いつも家族の様子をよく見ているコ
・状況の変化に敏感なコ
・優しいコ
・家族想いなコ

などの特徴が見られるでしょう」

夫婦喧嘩をしたときは……

エルちゃんの優しさが垣間見えるエピソードは、ほかにもありました。

飼い主さんが夫と“無言の喧嘩”をしたときは、エルちゃんが夫のそばへ行ったり、飼い主さんに寄ってきて手や顔をなめたりと、まるで仲裁するかのように振る舞ったそうです。

そんなエルちゃんについて、飼い主さんはこう話しています。

飼い主さん：
「普段はわがままで、ほんとマイペースというか、気分屋な“ヤンチャ娘”なんですけどね！　犬って人のことよく見てるし、わかってるんだろうなぁ〜って思います」