耳は音を聞くだけにとどまらず、生活全般においてとても重要な役割を果たしています。
愛犬には「いつもきれいな耳でいてほしい」という思いが、ケアの面で思わぬ落とし穴になってしまうことも。耳のお手入れの「ウソ・ホント」について獣医師の大隈尊史先生に伺いました。
「耳アカは絶対悪」はウソ
耳アカは、古くなった表皮が新陳代謝によってアカになったもの。普通は自然と耳から出ていきます。問題となるのは、耳アカそのものではなく細菌や真菌、寄生虫の有無です。
耳に異常があるのはこんなときです。
・かゆがる
・耳アカが多い
・耳が赤い
・臭い
このような症状がある場合は動物病院へ相談しましょう。
「耳掃除はしなくてもよい場合も」はホント
犬の耳が健康であれば、耳そうじは必要ありません。不要な耳そうじがかえって耳トラブルの原因となってしまうこともあるため、耳に異常がないなら「しない」のが基本です。
「ケアをするときは綿棒で奥まできれいに」はウソ
人の耳はのぞけば鼓膜が見えますが、犬は見えません。犬の外耳は長くて細く、曲がっています。綿棒で奥の耳アカを取ろうとする行為は「耳アカを奥に押しこむ」ことになるため厳禁です。犬用の綿棒も見える範囲の使用にとどめてください。
耳掃除は動物病院に相談してから
耳の状態によっては、洗浄液を使った耳そうじが必要になることもあります。洗浄液にも種類があり、耳の状態によって向き不向きがあります。耳そうじが必要かどうかも含め、獣医師の指導のもと正しく取り組みましょう。
「シャンプーのあとは 耳の中にもドライヤーを当てる」はウソ
不要な刺激となったり皮膚が乾燥したりすることで外耳炎の原因になることもあるため避けましょう。耳に水が入ると犬は頭を振って大半を外に出し、残りも自然と出てくるものです。
「耳にゴミが入っても自然に出てくる」はウソ
とくに、ノギなどのとがった植物が耳の奥に入ると自然には出てこずトラブルになるため、すぐに動物病院へ。犬が頭を執拗に振るなどの行動が急に出たら危険信号です。
「健康な耳はそもそも汚れていない」はホント
外耳は皮膚で、その皮膚が健康であればひどく耳アカで汚れたり臭くなったりすることはありません。逆にいうと、耳そうじをしなくてもきれいな状態が保たれていれば健康な証しです。
「水遊びをしたあとは耳の中まで洗う」はなんともいえない
耳が健康なコであれば基本不要ですが、海の場合は海水の刺激でトラブルになることも。それでも洗うまではせず、耳に水を流し入れて犬にブルブル頭を振らせる程度で十分です。
「耳の中の毛は抜いたほうがいい」はなんともいえない
耳の毛は抜くよりは切ることが推奨されており、また、耳が健康であればどちらも必須ではないとも考えられています。ただし、外耳炎の治療においては必要となることがあります。
いかがでしたか?気になる点があれば、見直してみてくださいね。
お話を伺った先生/大隈尊史先生(獣医師・アジア獣医皮膚科専門医・「東京動物皮膚科センター 神宮前動物病院」院長)
参考/「いぬのきもち」2026年5月号『犬の耳のすべて』
文/いぬのきもちWeb編集室
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。