犬の毛色ってとってもカラフル。そんな犬の毛色はどのように決まるのでしょう? 「成長とともに毛色が変わるのはなぜ?」「生まれた子犬の毛色が親犬と違うのはどうして?」動物ジャーナリストの藤原尚太郎先生に“犬の毛色のフシギ”について解説していただきました。
フォーンの両親から生まれたクリームのミルクちゃん(神奈川県 R.K.さん提供)
毛色を決めるのは2つの色素
毛色を決める色素はユーメラニンとフェオメラニンの2つで、まとめてメラニン色素と呼びます。これは犬特有のことではなく、人や猫でも同じです。
●ユーメラニン色素とフェオメラニン色素の2つ
黒や茶、グレーなどの毛色をつくるのがユーメラニン色素で、赤茶や黄、クリームなどの色をつくるのがフェオメラニン色素。この2つの色素がどのような割合でつくられるかで毛色が決まります。ちなみに、メラニン色素をもっていても毛に付着していない場合や、うっすらとフェオメラニン色素が着色されていると白や白っぽい毛色に。
●どちらの色素が強く出るかで同じ色でもニュアンスに差が
犬に多い茶色の毛色を例にしてみましょう。ユーメラニン色素が強く出るレバーやチョコレートは、やや黒っぽい茶色です。一方のフェオメラニン色素が強く出るレッドやリッチ・チェスナットなどは、赤みのある茶色に。ちなみに、一般的にユーメラニン色素による茶色の毛色(レバーやチョコレート)をもつ犬は鼻の色も茶色です。
成長とともにメラニン色素が濃くなって毛色に変化があらわれる
色を決めるメラニン色素は、成長とともに量が増えるため、子犬のころより毛色が濃くなる傾向があります。逆に、メラニン色素を抑える遺伝子が影響し、成長とともに毛色が薄くなる場合も。ヨークシャー・テリアのように成長とともに大きく毛色が変わるのも、メラニン色素の量の変化や遺伝子の影響です。
神奈川県 M.H.さんの愛犬桜ちゃん
ストレスや加齢などが原因で毛色が変わることもあります
病気や手術、栄養不足などが体にストレスになり、メラニン色素の量が減るなどして毛色が変わることがあります。また、加齢によってメラニン色素が十分につくられなくなり、とくに顔まわりに白髪が生えるようになります。
子犬の毛色は親の毛色と同じとは限りません
子犬が、遺伝的に親犬の毛色の傾向を引き継ぐことは考えられますが、親犬がもつ隠れた遺伝子によって、子犬が親犬とはまったく違う毛色に生まれることもあります。両親とは違う毛色でも、じつは祖父や祖母が同じ毛色だったということも。
「フォーンのお父さん&お母さんからクリームが生まれました」
「愛犬ミルクのおじいちゃんがクリームだったそうです。隔世遺伝ですね!」(神奈川県 R.K.さん)
フォーンの両親から生まれたクリームのミルクちゃん。ほかの3頭は両親と同じフォーン
「お父さんはシルバー、お母さんは黒の子犬は白・黒・黒の3頭でした」
「母犬は黒で父犬はシルバーだったので、黒の子犬は生まれると思っていましたが、まさか白の子犬が生まれるとは!」(三重県 T.H.さん)
シルバーの父犬と黒の母犬から白いコが生まれた!
犬の毛色にまつわる雑学をご紹介しました。愛犬の親犬や祖父母犬も、じつは違う毛色かもしれませんね。
お話を伺った先生/動物ジャーナリスト 藤原尚太郎先生
参考/「いぬのきもち」2026年2月号『犬の毛色っておもしろい!』
文/伊藤亜希子