愛犬にその場で止まってほしいときに使う「マッテ」のしつけ。教えている人も多いと思いますが、じつは活用できている飼い主さんは少ないかもしれません。
今回は、愛犬がイイコになって飼い主さんも助かる「マッテ」の活用法についてご紹介します。
食事前にするのはNG? まずは知っておきたいマッテの間違った使い方
「マッテ」とは、飼い主さんが「マッテ」と言って「OK」などの解除の合図があるまで同じ場所・同じ体勢で待ち続けるしつけです。
愛犬を落ち着かせたいときや、困った行動を減らしたいときなどに便利ですが、好ましくないシーンで「マッテ」をしている飼い主さんも。
たとえば、食事の前に長時間の「マッテ」をさせてしまうと、食べたい気持ちが高まりすぎて、肥満や胃捻転の原因にもなる早食いになってしまうことがあります。また、フードへの執着心が強くなり、空のフードボウルでさえ大事にするようになって、下げようとすると噛む、などの困った行動につながるおそれもあります。
「マッテ」の使い方を間違うと、健康面やしつけ面でデメリットになることがあるので、注意が必要です。
超便利!「マッテ」を活用したい7つのシーン
「マッテ」は正しいシーンで使うと、困りごとがグッと減って飼い主さんのお世話も楽になります。日常生活で積極的に使ってほしい7つのシーンをご紹介します!
マッテ活用シーン1)玄関から出るとき
撮影/佐藤正之
玄関から出るときに「マッテ」を使うと、落ち着かせることができて、出るのがスムーズに。また、玄関を出るとすぐに道路へとつながっている場合は、事故などから愛犬の身を守ることもできます。
マッテ活用シーン2)リードをつけるとき
撮影/佐藤正之
散歩前などリードをつけるときに「マッテ」をさせれば、愛犬の動きが止まってリードの装着がササっと終わります。
マッテ活用シーン3)交差点を渡るとき
撮影/佐藤正之
道路への飛び出しを防ぐためにも、交差点を渡る前にはマッテをさせる習慣をつけるとよいでしょう。また角を曲がるときに使っても事故防止になります。屋外では積極的に使って、愛犬をキケンから守りましょう。
マッテ活用シーン4)ほかの部屋に用事があるとき
撮影/佐藤正之
玄関での来客対応や、ほかの部屋で少し用事があって、愛犬にイタズラしたり吠えたりしないで待っていてほしいときにも「マッテ」を活用してみてください。
マッテ活用シーン5)人の食事中、おとなしくしてほしいとき
撮影/佐藤正之
人の食事中に、食べ物をほしがってしまう犬にも「マッテ」は有効! 足元で「フセ」をさせてから「マッテ」を使って愛犬を落ち着かせましょう。食事のたびに実践すると、どんどん慣れて落ち着けるようになります。
マッテ活用シーン6)知人と会って話すとき
撮影/佐藤正之
散歩中に知り合いとあいさつをしたり、少しだけ立ち話しするときに「マッテ」を使ってみて。興奮が抑えられるので、人への飛びつきや、道路への飛び出しも防げます。
マッテ活用シーン7)愛犬のウンチを拾うとき
撮影/佐藤正之
散歩などでウンチを拾う間、目を離した隙に拾い食いや犬が動いて飼い主さんがよろけてしまうこともありますよね。そんなときに「マッテ」を使えば、愛犬も飼い主さんも安全です。
いかがでしたか?
「マッテ」は生活のさまざまなシーンで使えて、しかも困りごとが減る魔法のようなしつけです。すでに愛犬が「マッテ」を習得しているなら、どんどん活用を。
まだ上手に「マッテ」ができない場合は、これからトレーニングをして習得し、たくさん使ってみてくださいね!
参考/いぬのきもち2015年2月号「本当のマッテの教え方」(監修:Can! Do! Pet Dog School代表 西川文二先生)
撮影/佐藤正之
文/melanie