犬が好き
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東日本大震災で家族と愛犬3頭を亡くした私。新たな愛犬と「一緒に長生きする!」と誓い、歩んだ10年
あの日から11年。相澤さんが震災後に迎えた愛犬ベルちゃんと歩んできた日々について伺いました。
クリスマスに迎えた新たな家族…かけがえのないパートナーとなった愛犬
しかし、震災から9カ月経ち、1人でクリスマスを迎える現実に直面すると、「あまりにもつらく、酷だ」と気分が落ち込みました。
そして、相澤さんにとって3代目となるヨークシャー・テリアをブリーダーから迎えることに。
「このコは生まれつき股関節脱臼で、毛並みも良くないの」と紹介されましたが、「だからこそ出会えたのね」と家族に迎えたのがベル(名前はクリスマスから!)ちゃんです。
その年、ベルちゃんと過ごしたクリスマスは「一生忘れられない思い出」になりました。
愛犬との約束は「一緒に長生きして、とにかく楽しむこと」
「いつも笑い、いつも楽しく過ごし、1分1秒も無駄にしたくない。だって、ベルとのお別れは必ず来るもの。別れを怖がっている時間があったら、楽しむべき」をモットーに、健康を心がけて生活しています。
一緒に早寝早起きするのがルーティン。
相澤さんが愛情を込めて「ビビりの田舎っぺ女子」と呼ぶベルちゃんですが、負けず嫌いなところもあり、ノーズワークが大の得意。なんでもクリアできます。
また、音楽にあわせてコマンドなしに行動することも得意で、ラジオを流せば「お留守番だ」と理解し、就寝前にゆったりした音楽をかければ定位置に。
ベルちゃんがのびのびとノンストレスな生活を送っていることが想像できます。
10才のシニア犬でありながら、歯科検診も血液検査もオール100点とのこと。
ダッシュで走ることはできなくても、家の中では元気に走り回ります。
ひとえに相澤さんの努力のたまものと感じます。「ベルの身体の管理は私の腕次第!」と肝に銘じ、食事にも気をつかってきました。
このように健康に注意してきた相澤さんですが、実は昨年、ベルちゃんは獣医師より「肥満」を指摘されてしまいました。相澤さんの家に遊びに来る方たちや、仕事場でかわいがってくれる従業員さんたちからおやつをもらう機会が多数あり、体重増加につながってしまったようです。
股関節に障害があるベルちゃんにとって、肥満は大敵。
そこで、相澤さんは犬の食事の専門家と獣医師のサポートを受けながら、ベルちゃんのダイエット生活をスタート。ベルちゃんは3カ月で無理なく減量し、一緒になってダイエットしたという相澤さんもさらに健康的な身体を手に入れ、今年はお互い理想体型で迎えた最高の年になりました。
「当たり前のことに感謝しながら強く生きる」愛犬との楽しい思い出作りを誓う
「マイナスからの出発は、上がるのみ」とはわかってはいたものの、「本当に何もないところと苦しみからの出発」を経験しました。
毎年、3月になると心がザワザワするといいます。
ですが、ベルちゃんとの出会いで「一緒に頑張ろう」と思えるようになり、この10年間、共に支え合って来ました。
「今度の命日は、胸を張って家族に『私、生きて、生き抜いて、ベルを愛します』と言えます」と言えるようになったほど。
実家の跡地は、お母様が大好きだったというマレットゴルフのゴルフ場になりました。
「皆さんが楽しめるゴルフ場になってうれしい」という言葉には、相澤さんの人柄のよさがにじみ出ています。亡くなった愛犬を「孫だ」と言ってかわいがっていたお父様からは、家業を継ぎ、日々仕事にも打ち込んでいます。
相澤さんは今回、「今置かれている環境、家族の大切さ、普通に生きていることのありがたさが、どれだけ幸せなことか。それをみなさんにお伝えしたい」と、つらい記憶を振り返りながらもエピソードを投稿してくれました。
「これからもお互いに感謝し合い、どんどん思い出作りをしましょうね。愛してるよ、ベル。私の家族になってくれてありがとう」。
相澤さんとベルちゃんの、笑顔と喜びに満ちた毎日は、これからも続いていきます。
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
Instagram(@youjia.xiangze)
取材・文/賀来 比呂美
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