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おそるべし末っ子魂【穴澤賢の犬のはなし】

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おそるべし末っ子魂

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犬にも長男気質、末っ子気質というものはあるのだろうか。わが家のケースを見ていると、福ちゃんは完全に末っ子気質のようだ。以前の大吉は「過保護に育てられたひとりっ子」のようだったが、福ちゃんが来てからはかなり「お兄さん」ぽくなってきた。今回はそのあたりの話でも。

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来たときからそうだったが、福ちゃんはとにかく大吉と同じことがしたいらしい。最近ではそれがエスカレートして、大吉の持っているものがほしくて仕方ないようだ。たとえば大吉にはA、福ちゃんにはBのオモチャをそれぞれひとつずつ与えたとする。

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AとBのおもちゃは、色が違うくらいで同じもの。でも福ちゃんは大吉のくわえているAを奪い取ろうとする。オモチャを取られた大吉はしょうがなくほったらかしにされたBを拾いにいく。すると今度は福ちゃんがBを奪い取る、というように。この攻防がしばらく繰り返される。なんとまぁ強欲な、と思うが、大吉のくわえているオモチャのほうが自分のものよりも魅力的に見えるのだろう。

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最終的にどうなるのかというと、福ちゃんの目の前にAもBもある状態で、大吉はもう好きにしろと呆れ顔で眺めている。AとBを独り占めして嬉しいはずの福ちゃんは、しばらくするとどちらかのオモチャをくわえて大吉のところにいき「これ、欲しい?」と差し出す。大吉がそれをくわえると「あげない!」と今度は引っ張る。そして引っ張り合いがはじまったりする。おそらく自分のオモチャを大吉に欲しがってもらいたいのだろう。あー面倒くさいやつ、と思うが大吉はそんな福ちゃんにある程度付き合ってあげたりしている(本当にうざいときはシカトする)。

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そのほかにも、大吉がくつろいでいる場所に自分も入りたくて、狭いところに無理矢理ムギュッと収まろうとしたり、大吉をなでていると「オレも!」と割り込んできたりと、とにかく「オレがオレが感」がすごい。不思議なことに、そんな福ちゃんでも、大吉のごはんやオヤツを奪おうとはしない。それはたぶん大吉が「オレの分も食べたければ食べれば?」という態度だからかもしれない。それでは面白くないのだろう。つくづく面倒くさいやつだなーと思う。

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しかも福ちゃんは、大吉に対しても、人間に対しても「これくらいなら怒られないんじゃない?」というラインを探っているふしがあるように見える。たまに怖い顔で「お前、ええ加減にせえよ」などというと「やべっ、マジで怒られた!」という表情になったりする。そういうところが末っ子気質だなーと思うのだ。

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かくいう私も実は末っ子で、6つ上の姉と、3つ上の姉の下という、一般的に最もたちが悪いとわれているパターンの末っ子だったりする。自分の子ども時代を振り返ってみても思い当たるふしは多々ある。たとえば小学生のころ。学校から帰ってショートケーキが3人分冷蔵庫に入っているのを発見したりすると、迷うことなく2個食べる。で、先に帰ってきたほうの姉に「ケーキあるよ」といって1個食べさせる。すると全部無くなるので、最後に帰ってきたもうひとりの姉はケーキの存在を知らないまま終わる。

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これがたまに失敗して、母親が「あれ、ケーキなかった?」などと余計なことをいったりすると事件に発展する。当然食べてない姉は怒り狂う。しかし仮にそうなったとしても、最終的に姉が「中学生にもなってケーキくらいでそんなに怒らないの!」と母親から逆に怒られるのは目に見えているのでまぁなんとか乗り切れるだろう、くらいの計算はしていたような気がする。姉たちはそんな弟が憎らしくて仕方なかったことだろう。今更ながら申し訳なく思う。

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そういう経験を踏まえたうえで大吉と福ちゃんを見ていると、オモチャを取られたくらいで怒らない、しつこくちょっかいを出されても本気を出さない、自分のスペースもゆずってあげる大吉は、なんて心が広いんだろう。偉いなぁ、と本気で思うのだった。

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