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憎っくき花火【穴澤賢の犬のはなし】

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憎っくき花火

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雷と花火が苦手な犬は多いという。わが家の大吉も、1才くらいまでは平気だったのに成長するに従ってなぜか雷と花火の音を聞くと怯えて挙動不審になるようになった。
そういう犬と暮らしている人にとって、これからの季節は……。

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何が怖いのかわからないが、大吉は雷や花火の音を聞くとガクガクと震えだし、落ち着きがなくなる。散歩中だと大慌てで帰ろうとするし、家にいるとなぜかキッチンや洗面台の奥に隠れようする。そんなところに隠れたってどうもならんだろうと思うのだが、狭いところが少しは落ち着くらしい。
※この連載で、トレーナーさんに相談したこともあった。

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パニックになって走り出したりしないだけまだマシだが、一度怖いと思ったものはダメらしい。言葉が通じれば、そんなもの恐るるに足りないことを諭してやれるのに。ちなみに福助はどちらもまったく平気なものの、大吉のケースがあるのでこの先どうなるかはわからない。今は、ふだんはしっかりしているのに急に情けない顔になる大吉を不思議そうな目で見ている。

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大吉がそんなだから、飼い主まで敏感になってしまった。外出中に雷が鳴ったりすると「あぁ、きっとあいつビビッとるだろうなぁ」などとちょっと心配になったりする。雷はどうしようもないが、花火は人為的なものなので、腹立たしく思ったりもするようになった。

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たとえば以前、車で2時間くらいかけて埼玉県・秩父のほうにあるドッグランへ大吉と遊びに行ったことがあった。到着してすぐに近くの河原でキャンプをしていたグループが花火か爆竹を鳴らしたため、すべてが台無しになってしまったのだ。「何してくれとんじゃい」と思ったが、そんなのはこちらの都合でしかない。それはわかるのだが「今そこで花火をやる必要があるのかね」という、いら立ちは募る。

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さらに現在暮らしているのは海のそばで、暖かくなるにつれ若者が集まってきては、夜な夜な浜辺で花火をする。季節的に夜は窓をあけるといい風が入ってきて気持ちがいいのだが、だいたい19時くらいになると、遠くでパンパンという音が聞こえはじめる。そうすると大吉がオロオロしだすので、慌てて窓を閉める、という毎日がこのところ続いている。ひどいときは深夜や明け方にも花火をしている輩がいて、神経を疑う。

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そういう浮ついたガキどもに問いたい。なぜ海辺に来ると花火をするのか。花火をして何が楽しいのか。花火をすることによって何か得られるものがあるのか。あんなパーンと光ってすぐに燃えかすになるようなものを見て何が嬉しいのか。ま、自分も若いころに海辺で花火をしたことがある(深夜じゃないよ)ので、人のことは言えないけれど。あとに残る火薬の香りがまたいいんだよねぇ。

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それにしてもこれからの季節を思うと憂鬱だ。しかも夏には江ノ島の花火大会があったりする。手持ちの花火ですら恐れる大吉が、あの大音量を聞いたら……。しかし、考えてみれば不思議だ。昔は花火大会が大好きだったのに。あの間近で見上げる大きな光の輪と、お腹に響く重低音がたまらなくて、渋滞覚悟でわざわざ遠くまで出かけていったこともあったのに。昨年は、近所で花火大会があるにも関わらず家にいて、震える大吉をなだめながら「早く終わってくれないかなぁ」などと思っていた。きっと今年もそうなるのだろう。

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雪なんか大嫌いだったのに、富士丸が喜ぶからいつのころからから雪を心待ちにするようになったし、大吉のせいで好きだった花火は嫌いになるし、犬と暮らすと人間も彼らの影響をいろいろ受けるらしい。

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