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ドア開け魔(犬猫)対策の自作自動ドア【穴澤賢の犬のはなし】

先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。

私の仕事部屋は自宅の1階だが、冬はとても寒い。オイルヒーターにエアコンをかけても足元が寒いから、耐えられないときは電気あんかを使っているくらいだ。そんな仕事部屋に、大福は来たり来なかったりする。

大福の出入り対策

ガチャッと閉めると彼らが入れないので、ドアの上部にダンボールを貼り付けて閉まりきらないようにしていた。
そうすると、鼻先でちょんとドアをちょんと押して入ってくる。しかし、当然ながら決して閉めない。廊下から冷気がじゃんじゃん入り込んでくる。だからその度に閉めに行かないといけない。
1回だけならまだいいのだが、彼らは突然出て行ったりもする。そのときは、前足でドアをカリカリして、器用にドアを開ける。で、また冷気が入ってくる。
閉めてしばらくしたら、また入って来たりするので「もう!」と思いながら毎回ドアを閉めていた。静かに入ってくることもあるので、冷気に気付いて振り返るといたりする。

ドアの開閉で対策したことは?

何年も冬はそんなことを繰り返してきたが、どうにかならんものかと色々調べてみた。すると、ドアと柱にゴムをつないで自動で閉まるようにする方法があった。
けれど、それだと鼻先でちょんと押してもゴム弾力ですぐ戻ってくるので、大福は開けにくいだろう。もっと自然に開閉する方法はないか。
考えた結果、自動ドアを自作してみることにした。といっても、電動ドライバーもビスも使わない。用意したのは、100均で売っている「コードフック」と「ナイロン道糸」、「両面テープ」、「木のブロック」、「メタルジグ(金属製のルアー)」だけ。
まず、ドアの上部にコードフックを両面テープで貼り付けて、次にドアが閉まる枠の脇にもコードフックをひとつずつ付ける。間の障害物を避けるために、木のブロックをかます。
あとはナイロン道糸で輪っかを作り、ドアの上部のコードフックにかける。その道糸を2つのコードフックに通して、道糸の先端にフック(針)を外したメタルジグをくくり付ける。仕組みはこんな感じ。
そうすると、ドアを開いたままにしておいてもメタルジグ自体の重さで少しずつ降りていく。これでドアが自動で閉まる。40gと28gのメタルジグでテストしてみたが、28gの方がよりゆっくり自然に閉まる。ということは、開けるときの抵抗も少ないから鼻先でちょんと押せば容易に開く。
実際に大福を呼び込んでみると、普通に入ってこれたし、出ていくときもカリカリやるとこれまで通り開いた。注意点は、完全には閉めず、2〜3ミリくらい隙間がある方が開けやすいらしい(大福の場合)。それはドアの上部のコードフックを貼る位置で調整できる。
というわけで、予算500円で自動ドアが完成した。たったこれだけのことだが、仕事部屋が格段に暖かくなった。これまで、大福はどれだけ暖房効率を下げてくれていたのか。この方法は、ドア開け魔の犬や猫がいる家でも使えると思うので、ぜひお試しを。
ドア開け魔の大福だが、来てくれると実はちょっとうれしい。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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