犬にとって、人との生活にはストレスになることが多くあります。愛犬がストレスを感じていることに飼い主さんが気づかないと、飼い主さんとの関係が崩れるきっかけになったり、深刻な病気につながったりすることも。今回は、飼い主さんも気づきにくい、実は犬がイヤだと感じることについて、しつけ教室「Pet Life Consulting シンビオーシス」代表の岡田敏宏先生に教えていただきました。
散歩のときしか排泄ができない
犬にとって、食事や排泄、睡眠は生きるために必要なことです。自分のタイミングで排泄ができず、飼い主さん都合になっているのは“ストレスレベル”が高く、愛犬の負担になります。
外で排泄しそうなときや排泄中に「ワンツー」など声をかけ、それを繰り返して「ワンツー=排泄」と関連づけることで、家の中でもかけ声で排泄を促すことができますよ。
家族間の空気が悪い
愛犬は飼い主さんの表情や口調をよく見て、聞いているので、ケンカなどの険悪な空気はすぐに気づきます。しかし、理由を理解することはできないので、不安な気持ちに。
できるだけ愛犬の前ではケンカをしたり、ピリピリした空気を出したりしないように努めましょう。難しい場合は、愛犬をハウスに入れるなどしましょう。
初対面の犬にあいさつをさせる
知らない犬と対面したとき、飼い主さんが無理やりお尻をかがせ合ってあいさつさせる行為は、犬からすると「安心できるかわからない相手に急に近づけられた」という感覚。その犬への第一印象も悪くなり、犬嫌いになることも。
ほかの犬とあいさつさせるときは、相手の犬と距離をとり、犬同士が相手に気づいてお互いに近づくまでは何もせずに見守りましょう。
安心できない生活環境
愛犬と一緒の布団で寝る
犬は眠りが浅く、人が夜中に何度も寝返りを打ったり、いびきをかいたりすると愛犬は頻繁に起きてしまいます。また、分離不安の傾向が強くなることもあるので、愛犬とは別に寝るのがおすすめ。
どうしても愛犬の様子が気になる場合は、そばに愛犬専用の寝床を用意してあげましょう。
愛犬だけになれる囲われた場所がない
愛犬だけでいられるクレートやサークルなどの囲われた場所がないと、安心できず常にソワソワした気持ちになり、問題行動が増えることもあります。
サークルの中にベッド、トイレ、水飲み場の3点セットを置いた愛犬の自室を作るのが理想です。
スペース的に難しい場合は、クレートなど四方を囲われた場所を用意しましょう。
ご紹介したものは、“イヤ!レベル”が高いものが多いので、やっていた場合はすぐに改善するようにしましょう。
お話を伺った先生/岡田敏宏先生(しつけ教室「Pet Life Consulting シンビオーシス」代表 家庭犬訓練士 動物看護師 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 トリマー ペット共生住宅管理士)
参考/「いぬのきもち」2024年5月号『お世話・しつけ・環境etc.――じつはストレスだった! 累計1万頭を見てきたドッグトレーナーが教える 犬がイヤ!なこと21』
文/山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
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