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雨の日に愛犬3頭と散歩中、交通事故に!【愛犬のための法律事典vol.9】

愛犬との暮らしがトラブルに発展し、裁判にまでなってしまうこともあります。
ここでは、「いぬのきもち」でご紹介してきた、実際にあった犬に絡んだトラブルと、判決について解説します。愛犬との幸せな暮らしのために、万が一のトラブルに備えて、知っておきたい事例をご紹介します。

愛犬が交通事故の犠牲に。損害賠償を求めて訴訟を起こした

〔裁判までの経緯〕

午後7時半ごろ、愛犬3頭のリードを持って散歩中だったAさん。天気は雨で、周囲は暗い状況でした。Aさんが愛犬たちといっしょに大きな幹線道路の交差点を横断していると、大型トラックがAさんらに気付かず右折してきたのです。運転手のBさんが急ブレーキを踏んだときには間に合わず、トラックはAさんと愛犬らに衝突。
Aさんは鎖骨や腕の骨折など1カ月以上の入院を必要とする大ケガを負い、鎖骨の変形障害といった後遺症も残りました。そして、3頭の愛犬のうち8才のヨークシャー・テリア1頭が命を落としてしまったのです。Aさんは損害賠償を求め、Bさんを訴えました。

裁判では…飼い主さんにも3割の過失があると判断された

裁判の結果、愛犬が死亡した損害賠償2万円、慰謝料5万円を含む1130万円がAさんへの損害賠償として認められました。しかし、Aさんは青色点滅信号で横断し始めてはいけない義務を怠ったことなどから、裁判所はAさんにも3割の過失があると判断。その結果、損害額約1130万円のうち3割を控除した約800万円が損害賠償額にあたるとされました。

《判決》損害賠償の支払い命令が下された

すでに支払われた金額と合わせて、損害賠償約800万円の支払い命令。
愛犬が死亡した損害賠償として2万円、慰謝料としては5万円が認められた

<神戸地方裁判所 平成25年9月5日判決>

[この事例の教訓]夜間や雨天時の愛犬の散歩は、 細心の注意を

事故当時、Aさんは蛍光色のレインコートを着ていたのに、運転手に気付かれず衝突されてしまったといいます。夜間や雨天など見通しが悪い状態で犬と道路を横断する際には、細心の注意が必要です。周囲が暗いときは大きな道路を渡らないようコースを替えるなど、状況に合った散歩を心がけたいもの。
また、3頭のリードを1人の飼い主さんが持って散歩すると、犬のコントロールが難しくたいへん危険なので散歩は1 頭ずつ行いましょう。

※掲載事例は、ひとつの例に過ぎず、まったく同一の解決・判決を保証するものではありません。個々の事件の判決については裁判所に、解決策はその当事者に委ねられます。

参考/「いぬのきもち」2016年8月号別冊『まさかのトラブルに備える! 愛犬のための法律事典』(監修:弁護士/渋谷総合法律事務所 渋谷 寛先生)
イラスト/macco
文/\(m.h)/
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