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これまで救えなかった命を救いたい。センターとの協力を模索するボランティアたちの思い

人と動物がともに幸せに暮らすためのよりよい環境を目指し、ハード面もソフト面も刷新した「大阪府動物愛護管理センター」の取り組みを紹介します。

※保護犬、飼い主さんの情報は2018年8月31日現在の情報です

1回目の記事|殺処分ゼロを目指すために施設を一新した「大阪府動物愛護管理センター」

2回目の記事|動物愛護の大切さを楽しく伝えたい。大阪で開かれた“命”のイベント

「力を合わせ、命を救いたい」愛護センターとともに殺処分ゼロを目指す

センター内の観察期間中の犬舎には、自動で動く仕切り板があり、掃除のときや頭数が増えたときに活用できる
センター内の観察期間中の犬舎には、自動で動く仕切り板があり、掃除のときや頭数が増えたときに活用できる
2017年8月、羽曳野(はびきの)市に開所された「大阪府動物愛護管理センター」には、現在10組のボランティア団体が登録しています。そのひとつである「NPO法人はぴねすDOG」は、現在一時預かりボランティア12名とともに、センターから犬を引き出し新しい飼い主さんを探しています。

年々、処分される犬の数も減少してきている大阪府ですが、センターへの要望を遠慮せずに言い続けているという、「はぴねすDOG」代表の間柴さん。「私たちがサポートできる部分、たとえば乳離れできていない子犬を育てたり、センターに出向いてトリミングを行ったり、ほかにもまだまだあると思うので、どんどん頼ってほしいです。センターと力を合わせ、大事な命を救っていきたいです」と情熱をもって語ってくれました。

「犬を引き取れなかったあの日、 自分が情けなくて泣きながら帰った」

「はぴねすDOG」から1カ月前に、ととくん(8カ月/ミックス)を迎えたWさんご家族。

「実家の犬が亡くなったあと、大阪市主催の〝動物ふれあいデー〞というイベントに、当時5才の息子さんと行きました。そこでセンターの犬たちが処分されている実情を知ったんです。当時はペットを飼える住環境ではなく、犬を引き取りたくても連れて帰れない自分が情けなくて……。泣きながら帰ったことを覚えています」と話すWさんご夫妻。

その後、ペット可の家に引っ越したこととなどがきっかけで、以前から気にかけていた「はぴねすDOG」のホームページを久しぶりに見たのだそう。そこで目にしたのがととくんでした。
朝晩の散歩はお父さんが担当。夜の散歩は、息子さんをバス停まで迎えに行くのが日課だとか
朝晩の散歩はお父さんが担当。夜の散歩は、息子さんをバス停まで迎えに行くのが日課だとか

息子と保護犬がまるで本物の兄弟のような関係に

一時預かりボランティアのお宅にいたととくんは、アカラス症という皮膚病で、全身が脱毛し肌が露出した状態でした。もともとミックスの子犬を飼いたかったWさんは、このタイミングの出会いに運命的なものを感じたことと、皮膚病のととくんを何よりもかわいく思い、すぐに譲渡を希望。治療を続けた結果、毛もずいぶん生えそろってきました。

今では小学6年生の息子さんとととくんは、まるで兄弟のように部屋中を追いかけっこしながら遊ぶのが日課なのだそう。

「ととは空気を読むオトコなんです。私が在宅で仕事をしているときは、じゃますることなく、静かにそばにいます。仕事の合間にととをなでる瞬間はとても癒されます」とお母さん。

そして息子さんは「とととボール投げをしたいです。ぼくが投げたら拾ってきてくれるよう練習します」と目を輝かせながら話す姿が印象的でした。
家族に大事にされ、皮膚病もすっかりよくなったととくんは、現在トイレトレーニング中
家族に大事にされ、皮膚病もすっかりよくなったととくんは、現在トイレトレーニング中
大阪府動物愛護管理センターに来て1年目の獣医師で職員の吉田優司さんが、今後の抱負を語ってくれました。

「しつけ教室や卒業犬同窓会など、もっといろいろなイベントを開催していけたらいいですね。せっかく立派な施設があるので、地域の皆さんが気軽に立ち寄れて、笑顔あふれる空間にしたいです」

出典/『いぬのきもち』2018年12月号「犬のために何ができるのだろうか」
取材・撮影・文/尾﨑たまき
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