犬が好き
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虐待で右目と後ろ足をつぶされ、障がいを負った犬・未来ちゃんに学ぶ「命の授業」
いろいろなヒントが詰まった「命の授業」
「自分のこと、好きですか?」
口々に「きらーい!」と答える子どもたち。そしてもうひとつの質問が。
「みんなは幸せになりたい?」
「もちろん」と言わんばかりに小さな手が挙がります。
保護犬を通じて人や犬の幸せを考える、児童文学作家・今西乃子さんの「命の授業」が、こうして始まりました。
保護犬・未来を救ったある女性の心の奥底にあった思い
この犬が、「命の授業」を導いてくれる未来ちゃんです。
強烈な写真と今西さんの力強い話しぶりに、子どもたちはシンと静まり返ります。
「この子犬は人間から虐待を受け、動物愛護センターに保護されていたところを、山口麻里子さんという女性に引き取られました。麻里子さんは、新しい飼い主が見つかるまでの間、センターから引き取った犬を一時的に預かるというボランティアをしていました。センターの職員からは、『もっと健康な子犬を引き取ったら?』と言われたそうです。でも麻里子さんは、どうしてもこの犬でなければならない理由があったのです。それはなぜだと思いますか?」
誰かを救うということは、自分を救うということ
以来麻里子さんは、どこかで自分を責め続けていました。
だからこそ虐待を受けた子犬を見たときに、『このコを救わなければ、自分をずっと好きになれない』という思いがこみ上げ、子犬の命を救うと決めたのです。
再び今西さんが、語気を強めて子供たちに語ります。
「つまり、誰かを救うということは、自分を救うということ。逆に、誰かを傷つけるということは、自分を傷つけている、ということなのです!」
出典/「いぬのきもち」2019年2月号『犬のために何ができるのだろうか』
取材・撮影・文/尾﨑たまき
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