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シロさん、眼球摘出手術へ【連載】おばあちゃん犬がやってきた 第33回
我が家は15歳のおばあちゃん犬、シロさんを新しい家族として迎えました。
シロさんが失明してから数か月が過ぎ、緑内障は落ち着いていたものの、目の中に潰瘍ができてしまいました。
恐れていた合併症。
シロさんの負担にならないよう、様々な治療を試みたのですが、結果虚しく、どれも回復には至りませんでした。
少しずつ、少しずつ悪化していくシロさん。少しずつ痛みも出てきている様子でした。
そんなシロさんのことをみて動物病院の先生からひとつの提案がありました。
それは、眼球を摘出すること。
その提案を聞いた私の反応は。
眼球摘出の提案を受けて
たとえ機能していなくても…
そんな宝物をとる選択なんて、簡単にはできません。
数日間悩みに悩んで、それでも決断が出来ず、私は先生に眼球摘出のメリットとデメリットを尋ねました。
すると、こう返ってきたのです。
摘出手術、メリットとは
顔が変わろうと、身体が変わろうと、シロがシロならそれでいい。
そんなロマンスたっぷりなセリフ達が私の脳内でざわついていたのです(笑)
そして、手術当日。
シロを痛みから解放してあげられる・・・
そんな日に私はシロへの「ごめんね」の気持ちでいっぱいでした。
もしかしたらシロは目を残したいのかもしれない・・・
もしかしたらもっと早くこうしてあげた方がよかったのかもしれない・・・
もしかしたら、もしかしたら、と心の中で思っていた、情けない飼い主。
ですが、その日のシロさんは・・・
いつも通りのシロさん
シロさんのいつも通りの安定の可愛さに、ついクスっと笑いかこぼれました。
そして、手術が無事に終わり、迎えに行くと・・・
またしても、いつも通りのシロさん
そして、迎えにきた私に気づき尻尾をゆっくりと振るシロさん。
「頑張ったね!」の言葉の前に、つい「可愛い」と言葉が漏れてしまいました。
どんな姿でも、シロさんがシロさんである限り、きっと”可愛い”は止まらないのです。
よく、頑張ったね
15年間の過去も大切にしたいけど、これからの未来をまだまだゆっくり刻んでいけたらいいな。
頑張ってくれて、本当にありがとう。
私の元にきてくれて、本当に、ありがとう。
登場人物・登場犬猫
tamtam プロフィール
2022年「たまさんちのホゴイヌ」(世界文化社)、2023年「たまさんちのホゴネコ」(世界文化社)を出版。著者印税を動物福祉活動に充てている。
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