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大吉への懺悔【穴澤賢の犬のはなし】

先週、山の家に行ったときのこと。いつものように渋滞を避けるため金曜日の仕事が終わってから出発したので、夜遅くに到着した。夕食を済ませ早々に寝ていると、夜中3時ごろに「くぅ〜ん」という声で目が覚めた。見ると大吉が目で何かを訴えきたので、ピンときた。夕方、お腹が少しゆるかったが、どうやらもよおしているらしい。

夜中に起きると

急いで玄関のドアを開けてやると、ドッグランに降りていき、暗闇でウンチをした。確認しに行くと、下痢というほどでもない。変なものは食べていないが、おなかの調子がよろしくないようだ。すっきりしたようなので、ベッドに戻ってそのまま眠った。

訴えても起きないときは

翌土曜日は、嫁の友人ご夫妻が遊びに来る予定だった。犬が大好きだというご夫妻に大福はたくさん遊んでもらっていた。大吉は日中に何度かウンチをしたが、少量だがゆるかった。まだおなかの調子がよくないが、元気そうだったのでもう大丈夫だろうと思っていた。
その夜はみんなで鍋を囲み、大福もまじえて犬談義で盛り上がった。そして、就寝した。翌朝起きると、旦那さんが夜大吉に起こされたという。枕元で「くぅ〜ん」と声がしたそうだ。それで目を覚ましたら大吉がしきりに玄関の方を見たので、トイレかなと思って外へ出してみたらウンチをしたという。それが夜中の3時ごろだったと。「よく分かりましたね」と驚いたが、以前犬を飼っていたので、大吉が何を訴えているのかなんとなく分かったらしい。
前の夜、私はお酒を飲んでいたため、爆睡していたようだ。隣では嫁も寝ていて、訴えたが気が付かなかったのだろう。そこで大吉は「この人なら起きてくれそう」と別の部屋で寝ている人の枕元に行ったのだろう。そしてちゃんと起こし、意思を伝え、外で用を足した。
これは簡単そうで、なかなかできることではない。なんという判断力。がまんできなかったら別に家の中でしてくれてもいいと前から言っているんだが。でも外でしたかったのだろう。おなか痛いって訴えたのに爆睡して気づいてやれなくて、ごめん。
※その後、回復したのでご安心を。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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