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自粛がもたらした、犬と飼い主さんへの意外な効果|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.31
今回は、緊急事態宣言による自粛が、犬と飼い主さんに意外な効果をもたらしたというお話。はたして、どんないい効果が生まれたのでしょうか?(編集部)
私が主宰するCan ! Do ! Pet Dog Schoolも、1カ月以上教室をお休み、自粛しておりました。
クラスの進行に関しては、可能であれば週に1回、お休みが入っても2週間程度で、長年進めてきました。
今日やったことを次回までおさらいをしてきてもらう。教えた内容とズレがあればそれを、次回修正する。間が空きすぎるとズレが大きくなって、修正が大変になる。こうしたことが、長期のお休みを入れない理由でした。
さて、久しぶりに合う飼い主さんたちと犬たち。自粛要請を守り1カ月以上の休みを挟んだ結果は、はたしてどうだったのか。
うれしい誤算その1
ドライフードに興味を示さない犬は、トレーニングをしなくてもいい。その代わりに、食べ物を一切口にできない。
おなかが空けば体調を崩す前にどんなものも欲しがるようになりますので、3日も経たないうちに犬はドライフードに対するモチベーションをあげ、トレーニングも意欲的に行うようになる。
教室ではそう指導します。
とはいえ、数日後には次回の教室があるとすれば、おさらいをしないわけにいかない。おさらいをするために、欲しがるものをつい与えてしまう飼い主さんもいる。
すると犬は、ドライフードをますます口にしなくなる。
ところが、そうした飼い主さんも今回1カ月以上の自粛期間、お休みがあったわけで、食べないなら食べなくてもいいという態度を貫くことができた。
1カ月前と比べると、見違えるようにやる気を見せる犬たちが少なからずいたのです。
うれしい誤算その2
どこかでつまずいたら、できるところまで戻ってやり直してくる。逆にできるところまで戻ってやり直さずに、先に進もうとすればするほど、先に進めなくなる。
そう日頃指導しているわけですが、数日後に次回の教室があると思うと、これまたどうしても先に進もうとしてしまう飼い主さんがいる。
犬はできないことを要求され続ける結果となり、どんどんやる気をなくす。
ところが、1カ月以上の自粛期間が、これまたプラスに働いた。先の例同様、そうした飼い主さんが、できなければできるところまで戻ってやり直してくることを実践できた。
「え? 別の犬?」ていうぐらいにいい変化を見せてくれた犬が、結構いたのです。
自粛のおかげで新しい発見も
料理をするのは好きではない、というか苦手。外食の割合も多かった友人のお話です。
ジャズシンガーの彼女は、ライブハウス自粛中にて、仕事ほぼゼロ。収入激減の一方で暇な時間は激増。行きつけの食べ物屋は自粛中。結果、毎日のように自宅で料理。
すると、料理をするのがだんだん苦手でなくなってきた。
というよりも、なんと実は料理が好きだったことに、気づかされた。
自粛期間のおかげで、今まで知らなかった意外な自分に出会えたということです。
彼女に限らず何かがうまくなった、新しい発見があった。今回の自粛がプラスに働いた人たちは、意外と多いのかもしれませんね。
さて、当コラムをご覧の皆様は、なにかいい誤算がありましたか、今回の自粛期間で。
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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