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犬のしつけが上達する先生の選び方|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.32
今回は、犬のしつけ方教室・インストラクターを選ぶ際、見るべきポイントに関するお話。飼い主さんがしつけ上手になるかどうかは、どんなインストラクターに習うかも重要。どんな風に教えてくれる人がいいのでしょうか?(編集部)
家庭犬しつけインストラクターとしてJAHAから認定を受けるには、JAHAの家庭犬しつけインストラクター養成講座を受講する必要があります。
もちろん、私もその講座を受講しました。
そこで学んだことのひとつに、「EDICT」があります。
EDICTとは、Explain、Demonstration、Instructing、Coaching、Trainingの頭文字をとったもの。
しつけ教室のインストラクターは、言葉で説明をし、やって見せ、やってもらって、その上でさらに全体指導と個別指導を行う。
すなわちEDICTをしっかり行えるスキルが、インストラクターには必要ということなのです。
例えばアイコンタクトの練習
アイコンタクトには、自発的なアイコンタクトと、名前などの合図で視線を合わせるアイコンタクトの2つがあり、前者は幸せホルモンが増える、後者は聞く耳を持たせるため(名前に反応して目を合わせる犬は次の指示にすぐ反応する)。
そして、どんな状況でもアイコンタクトができるようになると、マテができるようになり、引っ張らずに飼い主と並んで歩くこともできるようになる。
そうした犬との関係の構築、その入り口がこれから行うアイコンタクトの練習なのです。
こうした言葉での説明をまず行うのが、Explainです。
しつけ教室を選ぶ際は、見学や説明会の際に、まずは言葉での説明がしっかりなされているかをチェックするといいでしょう。
Demonstrationにも、言葉での説明は欠かせない
「フードを握りこんだ手を犬の鼻先に提示し、犬がその手(握り込まれたフードの匂いに)に集中したら、その手を顎の下に持っていきます」
インストラクターになりたての頃、そう言葉で説明しながらデモンストレーションを行い、実際にやってみてもらったら、犬の顎の下にフードを握り込んだ手を持っていった飼い主がいました。
今は、「その手をご自身の顎の下に持ってくる」という説明に変えています。
ちょっとした言葉での説明の違いが、大きな理解の違いを生み出す、いい例です。
また事前に陥りがちな間違った動きを、言葉で説明して見せる。トレーニングの項目によっては、そうした方が指導効率のいい場合も少なくありません。
最初から上手にできる人はそうはいない
そこで、一人一人にどうすればうまくいくか、どこが違うか、ときにはその犬に合った別の方法を、言葉で説明し実際にやってみせ、アドバイスしていく。そう、Coachingも言葉での説明が欠かせないのです。
ちょっとちょっと、なんか今回のコラム「言葉で説明」「言葉での説明」って、「言葉で」って言葉がしつこくない?
え? 気づきました。そうなんですね、ここまで、なんと10回以上も「言葉で」って出てきてるんですね。
それは、なぜか?
「言語化」が指導には不可欠。
これ今は指導者でもある、誰もが知っているオリンピックのメダリストが、とある講演で語っていたことです。
名選手が名指導者になれるわけではない。よく言われることですが、その理由はどうもこの言語化に長けているかどうかにあるようですね。
話は戻りますけど、EDICT。
インストラクターを選ぶ際には、ぜひチェックするといいポイントですよ。
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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