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大吉の窓閉めてくれ要求【穴澤賢の犬のはなし】

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わが家では、もう日中はエアコンをかけっぱなしにしている。少し涼しい日や、いい風が吹いている日でも、窓を締め切って設定温度を26度にしている。なぜなら、大吉が窓を開けるのを嫌うからだ。

「窓、開いてない?」

窓を開けて「今日はいい風だなぁ」なんて思っていると、大吉がとことことやってきて「窓、開いてない? 締めて欲しいんだけど」と目で訴えてくる。これにはおそらく音が関係している。

大吉には嫌いな音がある。

私が暮らす鎌倉市腰越(こしごえ)は、江ノ島のすぐ近くで、5分も歩けば砂浜だ。少し暖かくなってくると、夜な夜などこかから若者たちが来て砂浜で花火をする。私としては別にどうでもいいのだが、大吉は「パンッ」という打ち上げ花火の音が嫌いなのだ。聞こえるとビビリ出す。

また、週末になると昼に暴走族が海沿いをよく走る。それには私も「何をしとんじゃあいつらは」と思うが、大吉はあの改造マフラーの爆音も嫌いなのだ。普通のバイクの音にはビビらないので、ああいう破裂音系がだめなよう。

窓を開けていると、そういう「騒音」が直で聞こえるので、大吉は窓を開けたくないらしい。だって今は何も聞こえないじゃん、と思うのだが、いつ聞こえるか分からない、突然の夕立で雷が鳴るかもしれないから、できれば常に閉めておきたいのだろう。

お願いだから、窓閉めて

というわけで、涼しい日でもわが家は窓を閉め切ってエアコンをつけている。そうすると、少し安心した顔で昼寝している。でもちょっと待て。犬は本来外で暮らすはずなのに、閉め切った室内を好むのか。散歩には朝夕必ず行くが、彼らにとってそれは排せつのためであり、砂浜で用を足したらすぐに帰りたがる。どんだけインドア派なんだ。

とはいえ、イレギュラーなお出かけや、山の家では嬉しそうにしているから、やはり音の影響なのだろう。若い頃は全然平気だったのに、年をとるにつれ、どんどん神経質になっていく気がする。別に嫌な思いをしたことはないはずなのに。

ちなみに福助は6才になる今も、花火も雷も暴走族も、まったく気にしない。同じ環境で育ったのに、違うもんだねぇ。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。

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