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わが家の暑さ対策【穴澤賢の犬のはなし】

まだ6月なのに30℃を越える日があったりして、今年は猛暑になる気がする。夏は人間でもつらいのに、暑がりの犬はさぞ大変だろう。となると、犬のためを思っていろいろな暑さ対策グッズを買ってあげたくなる。その気持ちは分かる。しかし、私は特別な対策グッズはほとんど使わない。

対策グッズを使わない理由

なぜなら、むだになることが多いからだ。例えば、かつて富士丸のために板状の大理石を買ったことがある。厚さ2cm、縦横60cm☓1mくらいあり、犬がその上に乗ればひんやりするという歌い文句だったと思う。
届いたものを触るとたしかにひんやりしてる。「お、これはいいかも!」と思ったが、富士丸は一度も乗ってくれなかった。結局、その大理石はベランダにずっと放置されていた、結構高かったのに。他にも、ゼリー状のものが詰まった、ビニール製のひんやりシートみたいなもの買ったこともあるが、同じく無用の長物に終る。そんなことが多々ある。

穴澤家の対策は?

以上の経験から、いくら良かれと思っても犬が使ってくれるとは限らない、得体の知れないものは試そうともしてくれないことを知った。犬は、普段使っている自分のベッドや、リビングにあるソファーなど慣れ親しんだものを好む傾向がある。なので、わが家は梅雨くらいから、この前書いたように日中はエアコンをつけっぱなしにしている。
大福の場合、それほど極端な暑がりではないから、設定温度は25〜26℃くらい。本当は2階のリビングを締め切った方が効率はいいのだが、福助が意味なくドアを開けるため、冷気が1階にダダ漏れになる。それでもずっとつけっぱなしにしているので、彼らはいつも「26℃の国」で暮らしている。
そのほかは、朝早く気温が上がる前に散歩に行く、夕方は気温が下がってから行く、水は常に飲めるようにしておく(これは年中)、日中はなるべく犬と出かけない、出かけるときは車のエアコンを全開にする、晴れた日はエンジンを切った車にたとえ5分でも絶対に残さないくらいで、特別なことはしていない。でもこれからの季節は何かと気を使う。きっと多くの飼い主さんもそうなんだろうな。
彼らはそんな気苦労を知らないと思うけど。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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