愛犬にトイレを覚えさせるには、トイレで上手にオシッコやウンチをする成功体験を繰り返させることが大切です。
そのためには、成功に導けるトイレ環境になっているかどうかがポイント。とはいえ、環境作りのコツは、ほんのちょっとした改良なので、意外と気づきにくいことも。
そんな犬のトイレの見直しポイントを実例で紹介します。
撮影/佐藤正之
CASE1 サークルの外の床にオシッコをしてしまう
「リビングの壁際、テレビの前にトイレトレーを2つ、サークルに囲って置いています。オシッコをするときに体がうまくトレーの上に乗らず、足などがサークルの出入口からはみ出してしまい、外の床にしてしまうことがあります。」(飼い主さん)
どうしても体がトイレの外へ出てしまう……(写真提供/埼玉県 Oさん)
こう変えよう! 低い柵でトイレを囲う
トイレトレーの上にうまく乗れないのは「囲まれているのが嫌」という心理が働いているのかもしれません。本来の柵をはずし、低い柵(ホームセンターで売っているワイヤーネットなど)でトレーを囲ってみましょう。
これなら閉塞感がなく、体をトイレの外に出さない効果も。また、そそうしがちなトレーのまわりにトイレシーツを敷いておくと安心です。
イラスト/石山綾子
CASE2 サークルにつかまり立ちし、トイレの外へオシッコする
「リビングの一角にサークルを置き、その中にトイレとベッドを置いています。留守番のとき、愛犬はこのサークルの中にいるのですが、たまにサークルの外の床がオシッコで濡れていることがあります。あるとき、帰ってみると、ちょうど愛犬がつかまり立ちをしてオシッコをしているところに遭遇。まだ去勢していないことが原因かもしれません。」(飼い主さん)
環境見直し前のトイレはベッドと近く、トイレサイズが小さめ(写真提供/千葉県 Wさん)
こう変えよう! サークルを広げてL字タイプのトイレを置く
マーキングのために立ちションをしている可能性があります。去勢をすればよくなることもありますが、L字タイプのトイレトレーを置くなどして対策を。また、サークル内で留守番させるなら、サークルをもう少し広げ、トイレとベッドを離しましょう。
リラックスするベッドのそばでは排泄したくないため、サークルの外へオシッコしているのかもしれません。
イラスト/石山綾子
CASE3 外飼いするようになり、家の中のトイレでしなくなった
「もともと外飼いをするつもりだったので、飼い始めのころは室内飼いでしたが、気候が温暖になったタイミングで外飼いに。そうしたら、だんだんと家の中のトイレ(縁側と玄関に設置)でしてくれなくなりました。外では家から離れたところでしたがります。夜や雨の日などたまに家に入れている愛犬に室内でのトイレを覚えさせられますか?」(飼い主さん)
外飼いを始めてから、外でしか排泄しなくなってしまい……(写真提供/愛知県 Kさん)
こう変えよう! トイレトレーをより大きなものに替える
トイレが小さすぎる可能性があります。大きめのトイレを用意するか、広めにトイレシーツを敷いてみましょう。室内トイレを覚えさせるには、トイレをしてから散歩へ行く、外でもトイレシーツを使う、家の近くでトイレをさせるなど、なるべく家の近くや家の中でトイレシーツに慣れさせて。トイレシーツの上でできたら、よくほめてあげてください。
イラスト/石山綾子
トイレトレーニングは、成功させてその瞬間にほめることが大切。トイレを数カ所設置したり、トイレシーツを複数枚使うなどのトイレ環境の見直しや工夫をして、成功できるように誘導しましょう。
参考/「いぬのきもち」2018年2月号『環境を見直すだけで失敗しにくくなる! トイレのしつけ 成功アドバイス』(監修:犬のしつけ教室DOGLY代表、日本動物病院協会認定家庭犬インストラクター 荒井隆嘉先生)
撮影/佐藤正之
イラスト/石山綾子
文/sato