くつろいでいるときに、愛犬がそばによってきて、なぜかくるりと背中をむけたことはありませんか? 今回は犬がくるりと背中を向ける理由について、信頼の証である場合と、それ以外の場合があるそうです。獣医師の増田宏司にお話をうかがいました。
背中を向けてくるのは最大級の信頼サイン
飼い主さんがくつろいでいるときなどに愛犬がそばにやってきて、背中を向けてくることがあります。
人の感覚からすると、「背を向けるなんて嫌われているの?」と思うかもしれませんが、じつは信頼している相手にしか見せない特別なサインなのです。
これは犬の「急所」のひとつである後ろ足を守るために、仲間同士で背中をくっつけあうという習性からくる行動。そのため、「この人は絶対に自分を傷つけない」と犬が確信しているからこそ見せる、信頼の証といえるでしょう。
相手を落ち着かせようとしている場合も
背中を向けるしぐさは、怒っているときの飼い主さんや、ほかの犬などに対して見せることもあります。これはケンカを避けるために「落ち着いて」と相手に伝えようとしているのです。
くつろいでいるときに見せることもある
飼い主さんに背中を向けながらくつろぐ犬もいるようです。これは、信頼できる相手に急所を預けることで、安心してゆっくりくつろぎたいと思っているからなのだとか。
愛犬が背中を向けたときのおすすめの対応は?
このしぐさは、飼い主さんが心から愛犬に信頼されているということ。
「信頼してくれてありがとう」と愛犬にやさしく声をかけてもいいでしょう。これからも自信をもって、愛犬との絆をさらに強めていってください。
愛犬が背中を向けるこのしぐさには、何とも嬉しい理由が隠されていましたね。犬のしぐさには、人からすると思ってもみなかった意味が込められていることも多くあります。これからも犬のしぐさに対する理解を深め、愛犬とより良い関係を築いていきたいですね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2019年2月号『犬のオモシロ習性図鑑 vol.21 背中くるんっ♡』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。