犬の表情やしぐさには、さまざまな感情が隠されています。とくに、目は表情の決め手となる部位。にっこりしたように目元をゆるめたり、目を大きく開いたりするとき、犬はどんな気持ちなのでしょうか? 獣医師の増田宏司先生に、犬の目元から読み取れる気持ちについて教えていただきました。
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にっこりおめめは“幸せ”
犬が目を細め、にっこりした顔に見えるときは、顔の筋肉がゆるんでいるとき。リラックスしていて、幸せを感じていることが多いでしょう。
「落ち着いて」のサインのことも
「敵意はないですよ」と相手に伝えるために目を細めることも。「カーミングシグナル」と呼ばれる、犬のコミュニケーション方法の1つです。口元までゆるみ、体に緊張感がない場合は、「落ち着いて」のサインの可能性があります。カーミングシグナルは人から犬へ使うこともできるので、愛犬の興奮を落ち着かせたいときに飼い主さんが使ってもよいでしょう。
白目がちは“集中”
犬の白目は通常あまり見えませんが、真正面以外にあるものをじっと集中して見ているときなどは白目がちになります。ほかに、我を忘れるほど興奮している場合も。大好きなおやつやおもちゃが目の前にあるなど、犬が極度に興奮したときは瞳孔が大きく開くため、白目が見えることがあります。
「ストレス」を感じていることも
白目が見えるほど目を見開いているときは、ストレスや不安を感じている場合も。対象物を見つつ、顔はそらしているときなどに見られ、「クジラ目」とも呼ばれます。白目がちでしっぽが下がっている、息が荒い、あくびが多いなどの特徴が見られるときも、ストレスを感じている可能性があります。
ぱっちりおめめは“うれしい”
犬が目を大きく開いているときは、期待や興奮を感じており、うれしい気持ちのときが多いでしょう。飼い主さんやおやつ、おもちゃなどを見るときに目がキラキラして見えることがありますが、これは興奮によって目の表面温度が上がり、水分量が増えるためといわれています。電子機器の赤外線機能によって判明したそうです。
「攻撃行動」の前触れのことも
目を大きく開くのは「攻撃行動」の前触れのことも。たとえばほかの犬など怖いものが近くにいるとき、警戒心や恐怖心が高まった結果、相手から目を離さないために目を見開くことがあります。目を見開いて全身がガチガチに硬直し、小さくうなり声を上げている場合は、攻撃行動に転じる可能性が高いです。
目を細めるのは“眠い”
目をしょぼしょぼと細めるときは、眠気で涙の量が減っているほか、屋外などでまぶしさを感じ、眼球を保護するために自然と細まっていることが多いです。
「強い緊張」のことも
目のまわりの筋肉がこわばって細目になっている場合は、「強い緊張」を感じている可能性も。目を細めつつ小さくうなり声をあげたり、まばたきの回数が多い場合は、緊張感が高まり気が動転している可能性が高いでしょう。さらに緊張感が高まると、吠える、飛びかかるなどの攻撃行動に転じるおそれも。
意図して表情をつくることも
人とコミュニケーションをとるために人を観察し続けた結果、犬は目のまわりの筋肉など表情筋が発達しました。「この顔をすれば望みが叶う」と学習し、わざと上目づかいをして子犬らしい表情をつくる犬もいます。
犬の目の動きにはさまざまな意味合いがあります。愛犬の表情をよく観察してみると、さらにコミュニケーションが取りやすくなるかもしれませんね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 博士(獣医学) 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2025年12月号『表情・しぐさの勘違いをなくしてもっとわかりあえる!ホントのきもちの読み方』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
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