犬はなぜ遠吠えをするの？　遠吠えしたくなる犬のきもち

緊急車両のサイレンや、ほかの犬の鳴き声に呼応するように、突如雄叫びのような声を上げる遠吠え。犬は何のために遠吠えをするのでしょうか。
今回は犬の遠吠えの不思議について、獣医師の増田宏司先生に伺いました。

犬が遠吠えをする理由

何かしらのきっかけで、犬が「ワオ〜ン！」と長い鳴き声をとどろかせる遠吠え。これは、犬が音を通じてコミュニケーションをとろうとするときのしぐさです。
たとえば、「（声を出した）相手の位置を確認したい」「仲間を集めたい」「警告したい」「パートナーを探したい」「喜びを表現したい」などの、多くの意味があるようです。

遠吠えしがちな場面とは？

救急車のサイレンの音や、ほかの犬の鳴き声などが聞こえてきたときなどが挙げられます。
また、音がしないのに、窓の外に向かって遠吠えをすることもあります。これは、人には聞こえないほど遠くの音を犬が聞き取ることで、「どこにいるの？」など、意思疎通をしようとしているのかもしれません。

飼い主さんがいない留守番中に、不安や寂しさから遠吠えをする犬もいます。これは、ストレスから飼い主さんに呼びかけようとしている、人に対して用いられる遠吠えと考えられます。

遠吠えに対して飼い主さんはどうすべき？

遠吠えはかなり響くので、放っておくと近所迷惑になる場合もあります。サイレンなど、犬が反応しそうな音が聞こえたら、飼い主さんは愛犬に対して吠える前に名前を呼ぶなど、ひと声かけて気を引くことで、遠吠え防止につながることがあります。

犬らしいしぐさのひとつである遠吠えには、犬同士のコミュニケーションなどの理由がありました。犬同士の「会話」でもある遠吠えですが、ご近所迷惑にならないように声かけなどの対策もして、愛犬の気持ちに寄り添ってあげたいですね。

お話を伺った先生／増田宏司先生（獣医師獣医学博士東京農業大学農学部動物科学科（動物行動学研究室）教授）
参考／「いぬのきもち」2018年9月号『犬のオモシロ習性図鑑 VOL.16 ワオ～ン！と遠吠え』
文／小泉美筆
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

CATEGORY 犬と暮らす

2023/05/18 UP DATE