ブンブン激しく振ったり、ゆっくりパタパタ振ったりと、さまざまな振られ方をする犬のしっぽ。じつは犬は異なるしっぽの振り方をすることで、感情を表現しているんです。今回は、犬のしっぽの振り方とその意味について、獣医師の増田宏司先生に伺いました。
犬のしっぽには感情が豊かに表れる
犬のしっぽは表情と同じくらいに、感情を豊かに表すパーツです。振り方によって読み取れる感情は変わってきますが、ふだん冷静でクールな表情を浮かべがちな愛犬でも、飼い主さんに向かってうれしそうにしっぽを振っているなら、それは愛情サインのひとつといえます。
犬が愛情表現でしっぽを振るときの速度や高さは?
しっぽを振る速度は、愛犬の興奮度の表れです。飼い主さんを見ながら、しっぽをちぎれんばかりにブンブン激しく振るのは、大好きがあふれだして興奮しているからです。逆にゆったりと降るのは、穏やかな愛情の表れでしょう。
また、犬種にもよりますが、犬のしっぽが通常よりも高い位置にあり、水平に振られているときは、ポジティブな感情をいだいていることが多いようです。ただし、毛が逆立っていたり、前傾姿勢になったりしているときは、警戒の表れなので注意しましょう。
うれしいときと緊張しているときでしっぽの振り方が違う
イタリアの研究グループによって、犬はうれしいときにはしっぽを右に振り、緊張すると小さく左寄りに振るということが報告されています。
さらにそのあとの研究で、犬同士でもお互いのしっぽの振り方を観察することで、状況を判断していることがわかりました。しっぽがまさに、犬の感情表現の多くを担っていることの表れといえるでしょう。
ふだんよく見るしっぽの振り方が、じつは愛犬からの愛情サインだったと思うとうれしいですよね。愛犬からの大好きを見逃さないためにも、ふだんから愛犬のしっぽの動きを観察してみましょう。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2022年6月号『見逃したらもったいない!犬って体じゅうから愛情があふれてます!』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。