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犬の睡眠時間は人より長くて細かい!? 犬の睡眠について知っておきたいこと

犬にとって睡眠は、体力の回復や成長ホルモンの分泌促進、記憶の整理など、とても重要な役割があります。犬の健康維持には質のよい睡眠が欠かせませんので、犬の睡眠について正しく理解し、適切なお世話を取り入れることが大切です。

今回は、犬の睡眠の特徴や傾向、注意点、睡眠の質を上げるコツなどについて、獣医学博士の枝村一弥先生にお話を伺いました。

犬の睡眠時間は人よりも長い

トイ・プードル クゥくん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
個体差はありますが、犬の1日の平均睡眠時間は9~14時間といわれています。人の平均睡眠時間は7時間前後なので、犬のほうが長く眠る傾向にあるようです。

また、多くの人は昼間に活動して夜間にまとめて眠りますが、犬は昼間も含めて1日のうちにこまめに短い睡眠をとります。とはいえ、昼間よりも夜間にまとめて眠る傾向があり、なかでも21時~翌4時は犬がよく眠る犬の“睡眠ゴールデンタイム”といわれています。

なお、留守番が習慣になっている犬の場合は、留守番中に睡眠時間が増えることが多いようです。

犬の睡眠時間は年齢や犬種によって変わる

柴 たろうくん
犬の気持ち投稿写真ギャラリー
犬は年齢や生活スタイルの変化などによって、睡眠時間が変わるという特徴もあります。

たとえば、子犬やシニア犬は疲れやすいので、体力回復のために睡眠時間が長めです。また、大型犬は小型犬と比べて体力の消費が多いことから睡眠時間が長めとされ、ハウンド系などの人と働き行動をともにすることが多かった犬種は睡眠時間が短めの傾向に。

そのほか、ストレスは犬の睡眠を阻害する一因と考えられ、ネガティブな経験をした犬は、ポジティブ経験をした犬よりも睡眠時間が短くなり、睡眠のリズムが乱れるという研究結果も出ているようです。

犬は睡眠の質が落ちると病気にかかることがある

 MIX(雑種)小型犬 萌花ちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
高温多湿の環境やエアコンのかけすぎなど、犬の睡眠の質を落とす要素はさまざまです。また、騒音や光がある状態は、犬の睡眠時間を短くするとされています。

犬の睡眠の質が落ちて睡眠不足の状態になると、起きている時間帯も眠気が襲っていつもどおり活動ができなくなる「睡眠障害」を引き起こすことが。さらに、十分睡眠がとれていないと免疫機能が維持できず、感染症などの病気にかかりやすくなるおそれが。

そのほか、睡眠の質が悪いと脳や体が休まらず強いストレスになり、皮膚や胃腸、精神面などに影響を及ぼすケースも考えられるでしょう。

犬の睡眠の質を上げるためにできること

バーニーズ・マウンテン・ドッグ 小町ちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
犬の健康のためには、以下のような方法を取り入れ、睡眠の質を上げることが大切です。

室内の温度や湿度を整える

犬は細切れで睡眠をとるので、24時間温度や湿度を整えるのが理想。温度は26℃前後、湿度は50%前後を目安に室内の環境を整えましょう。寝床に毛布やひんやりグッズを置いて、犬自身で調節できるようにするのもよいですね。

静かな場所に、狭くて暗い寝床を用意する

犬は四方を囲まれている、少し暗い場所を好む傾向があるので、クレートやドーム型のハウスなどを用意するのがおすすめ。音が気になるテレビなどの近くや、人の気配がする玄関や廊下、窓際は避けて設置しましょう。

犬用ベッドはなるべくやわらかい素材を選ぶ

犬はふかふかとしたやわらかい場所を好むとされているので、やわらかな素材の犬用ベッドや毛布、タオルを寝床に置きましょう。また、犬の体に負担のかかりにくい低反発素材のマットレスなどもおすすめです。
犬の睡眠について理解し、快適な睡眠環境をつくってあげられるとよいですね。
お話を伺った先生/枝村一弥先生(日本大学生物資源科学部獣医学科教授 博士(獣医学))
参考/「いぬのきもち」2022年8月号『犬は長~く眠るから “睡眠の質”がすご~く大切です 真夏の犬の睡眠のすべて』
文/中島 萌乃
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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