なかなか直らない愛犬の吠えグセ。とくに成犬は、頑固なクセになってしまっている場合もあります。今回は、吠えグセにまつわるQ&Aと、吠えグセを解決するためのヒントを「ナカムラ・ドッグ・スクール」の中村太先生に教えていただきました。
愛犬の吠えグセにまつわるQ&A
まずは、吠えグセ直しにまつわるQ&Aをご紹介します。
吠えグセは何才まで直せる?
しつけ直しは何才になっても取り組めますが、吠えグセは年をとればとるほど直りにくくなるのも事実。飼い主さんは覚悟を決めて取り組む必要があります。
ただ、物音などへの警戒吠えは、年をとって耳が遠くなることで自然に解決する場合もあります。
何日くらいしつけたら直せる?
吠えグセが1~2週間で直るのは少数派です。とくに1才を過ぎた犬は、直るまでに数カ月以上、なかには1年以上かかる場合もあります。
ただ、オスワリやマッテなどのしつけができる犬であれば、うまく指示を出すことでスムーズに改善するケースも。
吠え始めると人の指示を一切聞かない場合はどうすればいい?
吠えているときはテンションがピークに達しているため、指示は通りにくいでしょう。そうなる前にオスワリやマッテなどの指示で、吠えを防ぐことが重要です。
また、日ごろの遊びや散歩が足りないとパワーやストレスが溜まり、テンションが上がりやすく下がりにくい傾向に。吠えグセ対策として、毎日のしつけの練習と散歩・遊びは必須なのです。
警戒吠えをする場合
警戒吠えとは、見慣れないものや人、犬などに対して不安感や恐怖心、威嚇の気持ちから出てくる吠えです。苦手なものに慣れさせようとするのではなく、「吠えなくても大丈夫」と思えるよう、吠えがちな場面に慣れさせましょう。
チャイム吠え直し
チャイムに警戒する場合には、「チャイム=クレートに入る」を新習慣に。
日ごろから録音したチャイム音を聞かせ、「ハウス」と声をかけてクレートに入る練習を。中に入ったら扉を閉め、しばらくして吠えていないときに外に出します。
実際にチャイムが鳴ったら、おやつを入れたおもちゃなどとともにあわてずに愛犬をクレートへ。玄関の呼び鈴には、対応が遅くなる旨、張り紙をしておくといいでしょう。
ほかの犬・人・物への警戒吠え直し
「名前を呼ばれたら飼い主さんを見る」を新習慣にしましょう。日ごろから愛犬の名前を呼んでおやつを与えるなどして、「呼ばれて飼い主さんを見るとイイコトがある」と教えます。吠えそうな対象を見かけたら、吠え出す前に名前を呼んで飼い主さんに注目させ、道の端によけながらすれ違いましょう。
要求吠えをする場合
要求吠えは、おねだりのための吠えです。ゴハンやおやつ、遊びや散歩などのおねだりのほか、かまってほしくてキュンキュン鳴くことも。
要求吠え直しには無視がセオリーとされていますが、若く元気な犬などの場合は無視しきれない可能性も。ここでは、無視ではない方法で、かつ犬の行動を制限する方法を紹介します。
飼い主さんの帰宅時の吠え直し
「帰宅したらクレートに入れる」を新習慣に。帰宅直後、クレートに愛犬を入れて扉を閉め、多少吠えても声をかけず自分の着替えなどを済またあとにごほうびとしてふれあいます。
犬によっては無視ではなくひと声かけるだけで吠えが落ち着くケースも。声をかけられることで気分が高揚するタイプには不向きなので、よく見きわめましょう。
散歩の要求吠え直し
散歩に行くまでの流れを学習し、散歩が近づくと吠え始める場合は、散歩前後のルーティンを変えてみましょう。例えば、ふだん洗濯物を干し終えてから散歩に行く場合は、洗濯物を干す前に散歩に行くようにするなど、順番に変化をつけてみるのもひとつの手です。
「かまって!」吠え直し
「指示に従ったらかまう」を新習慣にしましょう。1日の中でタイミングが決まっていない要求吠えは、オスワリやフセなど、犬の動きを制限できる指示を出し、それに従ったら要求をのむようにします。
吠えグセ直しには、飼い主さんの根気も必要です。時間をかけて愛犬と向き合っていきましょう。
お話を伺った先生/中村太先生(「ナカムラ・ドッグ・スクール」「いぬのようちえん」主宰)
参考/「いぬのきもち」2023年4月号『プロ直伝の“新習慣”が効く しつこい吠えグセ しつけトレーナーと直しまSHOW!』
文/小林けい
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。