しつけをするのが初めての飼い主さんも、しつけにちょっぴり苦戦しているベテラン飼い主さんも、少し考え方を変えてみませんか? 愛犬のしつけは、じつは「人の恋愛術」になぞらえて行うと好きな気持ちや幸福感をお互いに高められ、関係性が向上することも。すると絆が深まるだけでなく、いつでも飼い主さんに注目し、こちらの指示が通じやすい犬に育つため、「吠え」などの問題行動の対策にも効果的です。
しつけがうまくいく、7つの極意
甘やかしすぎ、厳しすぎず、楽しんでしつけを行うことがコツです
ここからは具体的に、恋愛術になぞらえた、「しつけの7つの極意」を紹介します。これらを頭に入れてしつけに臨めば、練習がうまくいくだけでなく、オキシトシンという幸せを感じるホルモンが、人にも愛犬にも分泌されやすくなるそうです!
極意その1)恋に落ちたときの‟ときめき”を忘れない
初めて愛犬に会ったとき(=恋に落ちたとき)、胸がときめき、うれしかったはず。その感情を忘れずにいれば、フレッシュな関係をキープできて、大切にしつけようという気持ちもわきやすいです。
極意その2)時間をかけてアプローチする
飼い主さんのあせりは愛犬にとって‟重荷“でしかありません。ゆっくりでも一歩一歩お互い確認しながらしつけを進めたほうが、愛犬に余計なストレスがかからず、しつけの精度も高まります。
極意その3)自分の価値観を押しつけない
「以前飼っていた犬はこうだった」「犬ならこのくらいできるはず」と自分の価値観を押しつけたらだめ。元カレ、元カノなどと比較されるのは愛犬だって迷惑です。自分勝手な価値観には封印を。
極意その4)押されたらじらず
たとえば愛犬からおやつなどを要求された(=押された)ら、すぐ応えない(=じらす)駆け引きも、しつけとして重要。かわいいからと、なんでも要求を聞いていると、ゆがんだ関係の原因に。
極意その5)チャンスを逃さない
おやつを要求した犬に「マテ」をかけてからご褒美をあげます
先ほど「要求に即応しない」とお伝えしましたが、たとえばまさにこのときがしつけのチャンス。オスワリをさせてから愛犬の要求をのむことで「座って待てば要求が通る」と伝えやすくなります。
極意その6)相手に依存しない
常にそばにいないと不安でしかたない、という関係は、あまり健全とはいえません。人も愛犬も自分の時間をもつことで、最適な距離が保てていい関係も築け、しつけが進められるように。
極意その7)常にポジティブに接し、楽しむ
飼い主さんの感情はダイレクトに愛犬に伝わります。愛犬に対して明るく振る舞えば、愛犬も明るく前向きになって教えたこともぐんぐん吸収してくれるため、しつけを進めやすいです。
上記の7つの極意を心がけて、愛犬とじっくり向き合い、しつけを頑張りましょう。
参考/「いぬのきもち」2019年9月号『恋するように接すればしつけはうまくいく』(監修:川原志津香先生)
写真/佐藤正之
文/ichi