犬が好き
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生い立ちの違う2頭の保護犬と家族に。時間をかけて「よき相棒」になった今の姿

いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、2頭との出会いや今の暮らしについて、飼い主さんにお話を伺いました。
たぬちゃんとの出会い
以前から犬の保護活動などに関心があり、「犬を家族に迎えるときは保護犬を」と心に決めていたのだとか。
そして、里親募集サイトでたぬちゃんのことを見つけたとき、「このコしかいない!」と譲渡会へ足を運んだのでした。

飼い主さん:
「たぬを一目見たとき、あまりの可愛さに胸を打たれたのと同時に、ガリガリの姿を見て『健康に、幸せにしてあげたい』と強く思いました。
そしてたぬを家族に迎えてすぐ、みんなで本当の家族になるため、私たちは入籍をしました。たぬがある意味キューピットですね」
臆病だったたぬちゃんに、徐々に変化が
飼い主さん:
「私たちの存在もそうですが、食器を洗っている音など、たぬは家の中のあらゆる物音などに敏感に反応しておびえていました。いつも部屋の隅で震えていて、家に来て3日くらいはごはんも食べてくれませんでした。
外に出れば歩く人、自転車、車、子ども…怖いものがありすぎてパニックになってしまい、まともにお散歩できる状態ではなかったですね」
たぬちゃんがこのように心を開いてくれたのは、「ご近所さんや犬仲間たちの影響も大きい」と、飼い主さんは話します。

「たぬを怖がらせないように、みんな少しずつ距離を縮めてくれたんです。たぬのことを可愛がってくれ、たぬの成長や変化を自分ごとのように喜んでくれたりしました。
たぬはみんなに会えるのが楽しみで、お散歩が大好きになりました。近所の方々には本当に感謝してます」

「たぬちゃんに相棒をつくってあげたい」 約3年後に、くまちゃんと出会うことに

飼い主さん:
「夫婦共働きで留守番が長くなってしまい、ふだんまったく吠えないたぬが、私たちが家を出て少しすると悲しい遠吠えをあげていたんです。留守番中も寂しそうな顔でずっと寝ているだけ…留守番カメラを設置して発覚しました。
たぬのお留守番の寂しさを紛らわせるにはどうしたらいいかとたくさん考え、たぬに相棒をつくってあげたいと思ったんです」

譲渡会にはたぬちゃんも連れて行き、2頭の相性を確認し、トライアル期間を経てくまちゃんと正式に家族になったのでした。
くまちゃんは、控えめでおしとやかなタイプ
家の中では飼い主さんにくっついて歩いたりと、甘えん坊な一面もあるようです。
生活に慣れていくなかで、くまちゃんに「てんかん」の症状が

普通の生活が送れるように少しずつ慣れさせていき、克服できたものもあるけれど、まだまだ怖いものばかり。
そんなある日、くまちゃんに「てんかん」の症状が見られるようになったのだそうです。

「くまの場合は怖いものが多岐に渡り、さらに変化していっている傾向があるため、慣れさせようと頑張りすぎるとストレスがかかり、てんかん発作につながると担当の先生から指摘されました。
今では、くまになるべくストレスをかけないように配慮して生活するようにしています」
程よい距離感を保つ2頭は、少しずつよき相棒に!
しかし、2頭は時間をかけてゆっくりと関係性を築いていき、今では「気づいたら2頭が寄り添って寝ている」という光景も見られるようになったようです。
「くまにとってたぬは、体育会系の怖い先輩。くまはたぬの顔色を伺ってから行動していますが、たぬがいないと不安そうにしたりと、なんだかんだ信頼しているようです。
たぬにとってのくまは、妹だけどライバルといったところでしょうか。基本的には同じリビングでもそれぞれの場所にいますが、最近はくまがおびえて震えていると、たぬが心配そうにそばにいく様子も見られます」
2頭は程よい距離感を保ちながら、お互いに同じ空間にいるだけで安心できる存在になっているようです。
たぬちゃん・くまちゃんが幸せだと思ってくれるように
飼い主さん:
「たぬくまが幸せだと思ってくれることが私たちにとって一番なので、たくさん遊んでたくさんお出かけをして、楽しい思い出をたくさんつくってあげたいです。
そして、くまの怖いものが少しでも減って、穏やかに過ごせる日々が続くように、自分たちにできることは精一杯やっていこうと思っています」
取材・文/雨宮カイ
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